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scene 12
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「ルシファー!!
ルシファー!どこなの?!」
ルシファーの名を呼びながら、町の中を走り回るケイトの前に一人の青年が立ちはだかった。
「な…何なんですか、あなたは…」
「いやだなぁ…何を言ってるんですか。
我が子を忘れてどうするんですか…」
「我が子…?」
自分よりずっと背も高く、年齢もさほど変わらないその男の顔をケイトはじっと見つめた。
「……ま、まさか…
あなた本当にルシファーなの?!」
確かに面影はあった。
特に、目許はオルジェにとてもよく似ているが、目の色が違う。
「う、うそ…
ルシファーはまだ小さな子供で…」
ルシファーは、突然ケイトの腰に手を回し、強くその身体を抱き締めたかと思うといきなり唇を重ねた。
「やっ!やめて!!
あなた、何なの!
人を呼ぶわよ!!」
「人ねぇ…このあたりには誰もいないようだけど…呼んでみますか?」
「おかしな真似はやめて!!
私は、今、子供を探してるんだから!!
あなたなんかに構ってる暇はないの!
離してちょうだい!」
「わからない人だなぁ…
だから、俺があなたの息子のルシファーだと言ってるでしょう。」
そういうと、ルシファーは袖をまくりあげ、腕のほくろを見せた。
「それは!」
「そう、オルジェと同じ場所にほくろがあるって、あなたは喜んでましたよね。
遺伝とはたいしたものですね。
こんなつまらないことまでが親から子に伝わるんですから。」
「……あなた…本当にルシファーなの?!」
「さっきからそうだと言ってるじゃないですか。
しかも、本来の…ね。」
「本来って…どういうことなの?!」
ケイトの言葉に、ルシファーは肩を震わせ喉の奥からおかしな笑い声を立てた。
「あなたは、イアンから聞いたはずだ。
オルジェの身体の中には、奴が赤ん坊の時から悪魔が棲みついていたことを…」
ルシファーは、さらに肩を震わせ、必死で笑いを噛み殺す。
ルシファー!どこなの?!」
ルシファーの名を呼びながら、町の中を走り回るケイトの前に一人の青年が立ちはだかった。
「な…何なんですか、あなたは…」
「いやだなぁ…何を言ってるんですか。
我が子を忘れてどうするんですか…」
「我が子…?」
自分よりずっと背も高く、年齢もさほど変わらないその男の顔をケイトはじっと見つめた。
「……ま、まさか…
あなた本当にルシファーなの?!」
確かに面影はあった。
特に、目許はオルジェにとてもよく似ているが、目の色が違う。
「う、うそ…
ルシファーはまだ小さな子供で…」
ルシファーは、突然ケイトの腰に手を回し、強くその身体を抱き締めたかと思うといきなり唇を重ねた。
「やっ!やめて!!
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人を呼ぶわよ!!」
「人ねぇ…このあたりには誰もいないようだけど…呼んでみますか?」
「おかしな真似はやめて!!
私は、今、子供を探してるんだから!!
あなたなんかに構ってる暇はないの!
離してちょうだい!」
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だから、俺があなたの息子のルシファーだと言ってるでしょう。」
そういうと、ルシファーは袖をまくりあげ、腕のほくろを見せた。
「それは!」
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こんなつまらないことまでが親から子に伝わるんですから。」
「……あなた…本当にルシファーなの?!」
「さっきからそうだと言ってるじゃないですか。
しかも、本来の…ね。」
「本来って…どういうことなの?!」
ケイトの言葉に、ルシファーは肩を震わせ喉の奥からおかしな笑い声を立てた。
「あなたは、イアンから聞いたはずだ。
オルジェの身体の中には、奴が赤ん坊の時から悪魔が棲みついていたことを…」
ルシファーは、さらに肩を震わせ、必死で笑いを噛み殺す。
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