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scene 11

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「それじゃあ、トレル、頼んだぞ!
片時もルシファーから目を離すなよ!」

「あぁ、任せとけ!」



だんだんと日が暮れ、空には美しい星達が煌き始めた。



「よし、私達も星神の丘へ急ごう!」



町の者達にみつからないように、アズラエルとアルグを肩に乗せたランディは星神の丘へ急ぐ。



「まだ、なにも起きてはいないようだな。」

「そうだ、アルグ、隠されたリュタンの村に入る時には魔方陣が必要になるはずだが、君も描けるんだろうな?」

「ええ…入口を開く魔方陣なら描けますが、あれはただ描けば良いというものではなく然るべき場所に描かなければ効果は発揮出来ないのです。」

「そうか…適当に描いても無駄ということか…」

その時、町の中から人々の歓声があがった。



「どうしたんだろう?」

「アズラエル!見ろ!流星群だ!」

空には無数の星が、空を明るく照らしながらまるで雨のように降り注いでいた。



「あ!アズラエルさん!あそこ…!」

今度は、アルグが声を上げた。
アルグの指差す丘の一角は、不思議な光で包まれていた。



「アルグ!あそこだ!
あそこに魔方陣を描くんだ!」

「わかりました!」

ランディの肩から飛び降りたアルグは、光に包まれた場所に魔方陣を描いていく。
すべてが描きあがった瞬間、光の色が赤く変わった。



「よし、行くぞ!」

三人が魔方陣に足を踏み入れた途端、その姿は一瞬してかき消えた。







「ううっ!」



三人はあたりの景色が一変していることに気が付いた。




「アズラエル、どうしたんだ!」

「大丈夫だ…なんでもない…」

そう言ったアズラエルの顔は血の気を失い、口の端からは一筋の血が流れ出ていた。



「さぁ、行こう。
まずは、長老に会わなくてはな!」

ランディとアズラエルの姿を見た小さなリュタン達が、物陰に身を隠す。
かなり怯えている様子だ。



「おい、アルグ、長老の家を聞いてきてくれよ。」

「はい、ちょっと待ってて下さいね!」

アルグはちょこまかとリュタンの傍に駆け出して行った。




「わかりましたよ。こっちです!」

ランディの肩に飛び乗ったアルグが道案内を始めた。 

 
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