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「トレル!その子は…!」
ちょうどその時、部屋に入ってきたエルスールが子供を見て驚きの声を上げた。
「エルスール、ちょうど良かった…
大事な話があるんだ、聞いてくれ…」
「どうしたんだ、トレル?」
「ケイトが目覚めたら、これをケイトに渡してくれ。」
そういって、トレルはハンカチに包んだものを差し出した。
「なんだ、これは…?」
「………オルジェだ…」
「オルジェ!?」
エルスールはハンカチに包まれたものを開いて確認する。
「この灰がオルジェだというのか!
ま、まさか…オルジェの身体を焼いたとでもいうのか?」
「ああ、その通りだ。
オルジェが死んだことで、また例の悪魔がオルジェの身体を奪おうとやってきたんだ。
アズラエルがなんとか祓ってくれたが、このままにしておけば必ずあの悪魔はオルジェの身体を乗っ取りに来る。
理由はわからないが、その悪魔はオルジェにかなりの執着を持ってるということだった。
だから…焼いた…
これでもうオルジェの身体に取りつくことは出来ない。」
「そうだったのか…
それで、アズラエルはどうしたんだ?!」
「それなんだが……あの子を見ただろう?
あれは、オルジェの最後の贈りものだ。」
「最後の贈り物?」
「あぁ、ケイトを一人ぼっちにするのがどうしようもなく辛かったんだろう。
彼は、赤ん坊に年月を与えた。
あの子はもう言葉も話せる。
そうすれば、ケイトも寂しさを紛らせることが出来ると考えたんだろう。」
「し…しかし、普通の人間にそんなことが出来るものなのか?」
「確かに普通なら出来ることではないな。
だが、オルジェはあれでも長年神に仕えて来た者だ。
オルジェだけじゃない。オルジェの父親だってそうだ。
……きっと、神だか天使が与えたもうた奇蹟って奴なんだろうな…」
「そんなことが……」
「現に起こってるんだから仕方がないじゃないか。
そんなことよりも、エルスール、あの子のロザリオを決してはずさないようにしてくれ。
オルジェを狙っていた悪魔が、あの子を狙う可能性がある。
しかし、あのロザリオをかけている限りは安全なんだそうだ。
だから、そのことをしっかりと注意しておいてくれ。
俺は、これから行く所があるんだ。」
「わかった。しかし、どこへ行くっていうんだ?」
ちょうどその時、部屋に入ってきたエルスールが子供を見て驚きの声を上げた。
「エルスール、ちょうど良かった…
大事な話があるんだ、聞いてくれ…」
「どうしたんだ、トレル?」
「ケイトが目覚めたら、これをケイトに渡してくれ。」
そういって、トレルはハンカチに包んだものを差し出した。
「なんだ、これは…?」
「………オルジェだ…」
「オルジェ!?」
エルスールはハンカチに包まれたものを開いて確認する。
「この灰がオルジェだというのか!
ま、まさか…オルジェの身体を焼いたとでもいうのか?」
「ああ、その通りだ。
オルジェが死んだことで、また例の悪魔がオルジェの身体を奪おうとやってきたんだ。
アズラエルがなんとか祓ってくれたが、このままにしておけば必ずあの悪魔はオルジェの身体を乗っ取りに来る。
理由はわからないが、その悪魔はオルジェにかなりの執着を持ってるということだった。
だから…焼いた…
これでもうオルジェの身体に取りつくことは出来ない。」
「そうだったのか…
それで、アズラエルはどうしたんだ?!」
「それなんだが……あの子を見ただろう?
あれは、オルジェの最後の贈りものだ。」
「最後の贈り物?」
「あぁ、ケイトを一人ぼっちにするのがどうしようもなく辛かったんだろう。
彼は、赤ん坊に年月を与えた。
あの子はもう言葉も話せる。
そうすれば、ケイトも寂しさを紛らせることが出来ると考えたんだろう。」
「し…しかし、普通の人間にそんなことが出来るものなのか?」
「確かに普通なら出来ることではないな。
だが、オルジェはあれでも長年神に仕えて来た者だ。
オルジェだけじゃない。オルジェの父親だってそうだ。
……きっと、神だか天使が与えたもうた奇蹟って奴なんだろうな…」
「そんなことが……」
「現に起こってるんだから仕方がないじゃないか。
そんなことよりも、エルスール、あの子のロザリオを決してはずさないようにしてくれ。
オルジェを狙っていた悪魔が、あの子を狙う可能性がある。
しかし、あのロザリオをかけている限りは安全なんだそうだ。
だから、そのことをしっかりと注意しておいてくれ。
俺は、これから行く所があるんだ。」
「わかった。しかし、どこへ行くっていうんだ?」
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