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「それが良いだろう…
そんなことを言われたら、彼女がどれほど傷つくか…
まして、今は子供が出来て精神的に不安定な時期だ。
本当のことを知ったら、彼女がどうなるかわからん。
ルシファーのことは、誰にも言うな。
トレルにもだ。
それがみんなにとって一番良い事だ。」
「……わかりました。」
「それで…トレルのことなんだが、もう心配はないと思うが、念のために二人っきりになったら、カマをかけてみてくれ。
『今は、誰もいないからルシファーと呼んで良いんだぞ』とかなんとか。」
「えっ!そんなことを…?」
「万一…ということがあるからな。
では、トレルを呼んで来るから頼んだぞ。」
「はい!」
(さすがにアズラエルさんは用心深いんだな…)
「ケイト、トレルの様子はどうだ?」
「あぁ、アズラエル…気分は上々だ。」
「なんだ、起きてたのか…あんまり無理はするなよ。
ケイト、そろそろ、食料の買い出しにでも行こうか?」
「あ…そうですね。」
「じゃ、外で待っててくれ。俺もすぐに行くから。」
ケイトが出ていくのを確認すると、アズラエルはトレルの耳にそっと何事かを囁いた。
「ケイト、じゃ、行こうか。
オルジェ、俺はケイトと食料を調達してくる。
トレルのことは頼んだぞ。」
「はい、アズラエルさん。」
「オルジェ、身体の方は大丈夫なのか?」
「何言ってんだ!病み上がりはそっちの方だろ!」
「俺はもう大丈夫さ。」
「トレル……今は二人っきりだ。
『ルシファー』と呼んで良いんだぞ。」
「ルシファー…??
なんだそれ、おまえ、熱でもあるのか?」
「大丈夫だ。今はそんな芝居をする必要はない。
心配するな。」
「オルジェ…おまえ…!!
まさか、悪魔にのっとられているのか!」
トレルが突然立ちあがり、オルジェに掴みかかる。
「ま、待て!そうじゃないんだ!」
「お前、何者なんだ!正体を現せ!!」
「ま、ま、待てってば!!」
トレルの手をどうにかふりほどき、オルジェはトレルをなだめる。
「聞いてくれ!
今のは芝居だ!
アズラエルさんに頼まれたんだ。」
「アズラエルに…?」
オルジェは、アズラエルに言われたことをトレルに話した。
そんなことを言われたら、彼女がどれほど傷つくか…
まして、今は子供が出来て精神的に不安定な時期だ。
本当のことを知ったら、彼女がどうなるかわからん。
ルシファーのことは、誰にも言うな。
トレルにもだ。
それがみんなにとって一番良い事だ。」
「……わかりました。」
「それで…トレルのことなんだが、もう心配はないと思うが、念のために二人っきりになったら、カマをかけてみてくれ。
『今は、誰もいないからルシファーと呼んで良いんだぞ』とかなんとか。」
「えっ!そんなことを…?」
「万一…ということがあるからな。
では、トレルを呼んで来るから頼んだぞ。」
「はい!」
(さすがにアズラエルさんは用心深いんだな…)
「ケイト、トレルの様子はどうだ?」
「あぁ、アズラエル…気分は上々だ。」
「なんだ、起きてたのか…あんまり無理はするなよ。
ケイト、そろそろ、食料の買い出しにでも行こうか?」
「あ…そうですね。」
「じゃ、外で待っててくれ。俺もすぐに行くから。」
ケイトが出ていくのを確認すると、アズラエルはトレルの耳にそっと何事かを囁いた。
「ケイト、じゃ、行こうか。
オルジェ、俺はケイトと食料を調達してくる。
トレルのことは頼んだぞ。」
「はい、アズラエルさん。」
「オルジェ、身体の方は大丈夫なのか?」
「何言ってんだ!病み上がりはそっちの方だろ!」
「俺はもう大丈夫さ。」
「トレル……今は二人っきりだ。
『ルシファー』と呼んで良いんだぞ。」
「ルシファー…??
なんだそれ、おまえ、熱でもあるのか?」
「大丈夫だ。今はそんな芝居をする必要はない。
心配するな。」
「オルジェ…おまえ…!!
まさか、悪魔にのっとられているのか!」
トレルが突然立ちあがり、オルジェに掴みかかる。
「ま、待て!そうじゃないんだ!」
「お前、何者なんだ!正体を現せ!!」
「ま、ま、待てってば!!」
トレルの手をどうにかふりほどき、オルジェはトレルをなだめる。
「聞いてくれ!
今のは芝居だ!
アズラエルさんに頼まれたんだ。」
「アズラエルに…?」
オルジェは、アズラエルに言われたことをトレルに話した。
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