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scene 7

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「ランディ、もう戻ったのか?早かったな。」

ドアの開く音に、トレルはそう声をかけたが、返ってきたのはランディの声ではなく押し殺したような低い笑い声だった。

「お、おまえは…!!」

「トレルの旦那…またお会い出来て嬉しいですよ。」

「おまえ!エルスールを…!エルスールをどうした!」

「旦那、あの雌犬をもっと行儀良く躾けてくれないと困りますな。
あいつが、ワシに何をやってくれたことか…」

そういうとフォーラスは、トレルをベッドから引きずり出し激しく蹴った。

「旦那…あいつがワシにしたことはこんなもんじゃないんですぜ…」

フォーラスの暴行に、弱った身体のトレルは成す術がなかった。

「あいつは、絶対に許しておけない…」

フォーラスは、トレルの首に手をかけ両手でぐいぐいと締め上げる。

トレルはフォーラスの手を必死でふりほどこうとするが、その手の力はとても強く、まるでほどけない。

「…そのくらいにしておけ」

「……オ…オ…ルジェ……」

意識を失う寸前にトレルが見たもの…それはオルジェの姿だった。

オルジェは意識を失ったトレル前で真っ黒な宝石を取りだし、口の中でなにやら呪文を呟き始める。
呪文と共に、その場の空気がピンと張り詰めたものに変わっていく。

しばらくすると、オルジェの呪文が途絶えた。

「…よし、すんだ」

「では、ワシはこいつの身体に…」

「わかっているな。フォーラス。
事をあせるな、復讐は俺の仕事が済んだあとだ。
その方がエルスールにもより大きなダメージを与えられる。
そして、決して悟られてはいけない。」

「大丈夫です。決して悟られるようなへまはしません。」

「よし。では、俺を殴れ!」

「えっ!?」

「早くしろ!
ランディが帰って来る前に、俺の顔を殴るんだ!」

「す、すみません!」

フォーラスは、言われた通りにオルジェの顔を何発も殴った。

「よし。では、後ろを向け!」

「後ろを?」

トレルの身体をのっとたフォーラスが後ろを向くと、いきなり頭に鈍い痛みが走り一筋の血が流れ出た。

「な、なにを!」

「大丈夫だ、たいした傷ではない。後は俺に口裏を合わせろ!」

「…わかりました。」

その時、外で小さな水音と足音が聞こえた。

「ランディだ!」
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