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「じゃ、しばらく待っててくれ。」
ランディは外へ出かけるふりをして、一人、奥の部屋にこもると予ねてからの計画を実行始めた。
すでに、テーブルの上に準備はしてあった。
ランディは塩水で宝石を丁寧に洗った。
赤い宝石は、水滴を浴びてきらきらと輝いている。
ランディは、パンツを脱ぐと太股の付け根を縛り、タオルを口の中に押し込んだ。
一瞬、息を飲み、ランディは、火であぶり消毒しておいたナイフを太股に突き立てる。
声をあげそうになるのをランディは必死でこらえる。
足からは血が流れ、額には玉のような脂汗が吹き出している。
ランディは、肉を押し開くようにして、その中に赤い宝石を埋め込んだ。
(あと少しだ…)
ランディは、自分の足の傷を縫い、薬草で手当てをした。
この村には、昔から医者がいない。
そのため、この村の者は自分の傷は自分達でなんとかするしかなかった。
しかし、軽度の傷ならともかく、重症の場合は医者の所に行くしかない。
そうなると、遠い町まで運ぶ間に命を落とす者も、当然いた。
ランディの父はそんな悲劇が起こらないようにと、ある程度のことには対処の出来るように、医療の技術を覚え、家にはちょっとした薬や医療器具のようなものも揃えてあった。
ランディは、幼い頃からそんな父の姿をみているうちに、いつの間にかその技術を覚えこんでいた。
足に包帯を巻き、すべては終わった。
全身から汗が吹き出し、ランディは激しい疲労感を感じていた。
なるべく傷は小さくおさえたつもりだったが、宝石を埋め込んだせいか、思っていたよりも痛みがあった。
あの宝石は誰にも渡してはいけない!
そう思った時から、ランディはこうすることを決めてはいたが、まさかすぐに出掛けることになるとは思っていなかった。
多少、無理をすることにはなるが仕方がない…
ランディはパンツをはき直し、少し休んでからでかける準備を始めた。
「遅くなってすまなかったな。
じゃ、そろそろでかけるか?」
「……ランディ、どうかしたのか?
ずいぶんと顔色が悪いようだが…」
「なんでもない。
あんたこそ、大丈夫なのか?」
「あぁ…俺は大丈夫だ。
それで宝石は…?」
「安全な所に置いてきた。」
「どこだ?」
「それは言えない…」
ランディの毅然とした表情を見て、これ以上聞いても無駄だとトレルは悟った。
「そうか…
そこなら、本当に安全なんだな?」
「心配するな。誰にも手出しは出来ない場所だ。
じゃ、アルグ、後のことは頼んだぞ。」
二人はエルスールを探しに家を出た。
ランディは外へ出かけるふりをして、一人、奥の部屋にこもると予ねてからの計画を実行始めた。
すでに、テーブルの上に準備はしてあった。
ランディは塩水で宝石を丁寧に洗った。
赤い宝石は、水滴を浴びてきらきらと輝いている。
ランディは、パンツを脱ぐと太股の付け根を縛り、タオルを口の中に押し込んだ。
一瞬、息を飲み、ランディは、火であぶり消毒しておいたナイフを太股に突き立てる。
声をあげそうになるのをランディは必死でこらえる。
足からは血が流れ、額には玉のような脂汗が吹き出している。
ランディは、肉を押し開くようにして、その中に赤い宝石を埋め込んだ。
(あと少しだ…)
ランディは、自分の足の傷を縫い、薬草で手当てをした。
この村には、昔から医者がいない。
そのため、この村の者は自分の傷は自分達でなんとかするしかなかった。
しかし、軽度の傷ならともかく、重症の場合は医者の所に行くしかない。
そうなると、遠い町まで運ぶ間に命を落とす者も、当然いた。
ランディの父はそんな悲劇が起こらないようにと、ある程度のことには対処の出来るように、医療の技術を覚え、家にはちょっとした薬や医療器具のようなものも揃えてあった。
ランディは、幼い頃からそんな父の姿をみているうちに、いつの間にかその技術を覚えこんでいた。
足に包帯を巻き、すべては終わった。
全身から汗が吹き出し、ランディは激しい疲労感を感じていた。
なるべく傷は小さくおさえたつもりだったが、宝石を埋め込んだせいか、思っていたよりも痛みがあった。
あの宝石は誰にも渡してはいけない!
そう思った時から、ランディはこうすることを決めてはいたが、まさかすぐに出掛けることになるとは思っていなかった。
多少、無理をすることにはなるが仕方がない…
ランディはパンツをはき直し、少し休んでからでかける準備を始めた。
「遅くなってすまなかったな。
じゃ、そろそろでかけるか?」
「……ランディ、どうかしたのか?
ずいぶんと顔色が悪いようだが…」
「なんでもない。
あんたこそ、大丈夫なのか?」
「あぁ…俺は大丈夫だ。
それで宝石は…?」
「安全な所に置いてきた。」
「どこだ?」
「それは言えない…」
ランディの毅然とした表情を見て、これ以上聞いても無駄だとトレルは悟った。
「そうか…
そこなら、本当に安全なんだな?」
「心配するな。誰にも手出しは出来ない場所だ。
じゃ、アルグ、後のことは頼んだぞ。」
二人はエルスールを探しに家を出た。
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