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次の朝早く、ケイトとリンクはユフィルの町へ旅立った。
「さてと…俺達もそのへんを見に行くか。」
ランディはひょいとアルグを肩に乗せ、森へ向かった。
「うわ~!」
「どうした?」
「さすがに、ケイトさんの肩に座ってる時より見晴らしが良いなと思いまして…」
「なんだ、そんなことか。
当たり前だろ。
俺の方がケイトよりずっと背が高いんだから。
……それはそうと…なぁ、アルグ…」
「なんですか?」
「ケイトは…その…オルジェとはどういう関係なんだ?」
「どういう…って…
幼馴染みらしいですよ。」
「本当にそれだけか?」
「ええ…それだけだと思いますが…」
「そうか!なら、良いんだ。
でも、ケイトは、オルジェのこと、かなり心配してたみたいだったな。
さっきも元気なかったし…」
「そりゃあそうでしょう。
ボクもすごく心配ですよ。
オルジェさんったら、一体、どうなってしまったんだか…」
「別人みたいだって言ってたけど、どんな風に違ってたんだ?」
「もう、雰囲気すべてが違うって言いますか…
声なんかもいつもよりずっと低い…地の底から響いてくるような声で…」
「しゃべり方も変わってたのか?」
「ええ、『私の力を返してもらおう』なんて言って、おじさんの宝石をゴクッと飲んで…ハッ!」
「おじさんの宝石?
何のことだ?!
オルジェが何をしたって言うんだ?」
「いえ、ボ、ボ、ボク…何も見てません!
今のは忘れて下さい!」
「何、隠してんだよ!
そこまで聞いたら気になるだろうが!話せ!何もかも話せ!」
「ボ、ボクは何も…」
「そうか、わかった!
じゃ、おまえをこの木の枝にひっかけて帰ろう!
この森には腹を空かせたふくろうがたくさんいるから、夜にはおまえもふくろうの餌に…気の毒になぁ…」
そう言いながら、ランディはアルグの襟首を掴んで、高い木の枝の前に持ち上げた。
「ひぃ~~っっ!ラ、ランディさん!!
やめて下さい!
話しますから!!何もかも話しますから~~~!」
「最初からそうすりゃあ良いんだよ!」
ランディは、アルグを再び自分の肩に座らせた。
「…で、どういうことなんだ?」
アルグは観念して、昨晩のオルジェの行動を…海に眠る雫のことをランディに話した。
「さてと…俺達もそのへんを見に行くか。」
ランディはひょいとアルグを肩に乗せ、森へ向かった。
「うわ~!」
「どうした?」
「さすがに、ケイトさんの肩に座ってる時より見晴らしが良いなと思いまして…」
「なんだ、そんなことか。
当たり前だろ。
俺の方がケイトよりずっと背が高いんだから。
……それはそうと…なぁ、アルグ…」
「なんですか?」
「ケイトは…その…オルジェとはどういう関係なんだ?」
「どういう…って…
幼馴染みらしいですよ。」
「本当にそれだけか?」
「ええ…それだけだと思いますが…」
「そうか!なら、良いんだ。
でも、ケイトは、オルジェのこと、かなり心配してたみたいだったな。
さっきも元気なかったし…」
「そりゃあそうでしょう。
ボクもすごく心配ですよ。
オルジェさんったら、一体、どうなってしまったんだか…」
「別人みたいだって言ってたけど、どんな風に違ってたんだ?」
「もう、雰囲気すべてが違うって言いますか…
声なんかもいつもよりずっと低い…地の底から響いてくるような声で…」
「しゃべり方も変わってたのか?」
「ええ、『私の力を返してもらおう』なんて言って、おじさんの宝石をゴクッと飲んで…ハッ!」
「おじさんの宝石?
何のことだ?!
オルジェが何をしたって言うんだ?」
「いえ、ボ、ボ、ボク…何も見てません!
今のは忘れて下さい!」
「何、隠してんだよ!
そこまで聞いたら気になるだろうが!話せ!何もかも話せ!」
「ボ、ボクは何も…」
「そうか、わかった!
じゃ、おまえをこの木の枝にひっかけて帰ろう!
この森には腹を空かせたふくろうがたくさんいるから、夜にはおまえもふくろうの餌に…気の毒になぁ…」
そう言いながら、ランディはアルグの襟首を掴んで、高い木の枝の前に持ち上げた。
「ひぃ~~っっ!ラ、ランディさん!!
やめて下さい!
話しますから!!何もかも話しますから~~~!」
「最初からそうすりゃあ良いんだよ!」
ランディは、アルグを再び自分の肩に座らせた。
「…で、どういうことなんだ?」
アルグは観念して、昨晩のオルジェの行動を…海に眠る雫のことをランディに話した。
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