上 下
68 / 291
scene 4

12

しおりを挟む



 「あっ!あぶないっ!!」

足元にぽっかりと空いた大きな落とし穴に、ケイトの身体が落ちた…!
…そう思われたその瞬間、ケイトの身体は突然その重さを失ったかのようにふわふわと少しづつ浮かび上がってくる。

「何?何?一体、何がどうしたっていうの??」

アルグが口の中でなにやらもごもごと呪文を唱えている。
ケイトの身体はそれにあわせるようにゆっくりと穴の外へ導かれた。

「ふぅ~…
危ない所でしたね。
ほら、下を見て下さい。」

穴の中をのぞくと、底には鋭く尖った槍のような刃先が突きたっているのが見えた。

「じょ、冗談じゃないわっ!
なんなのよ、これ? 
悪戯にも程があるわ!!」

「いくらなんでも、これは悪戯ではないでしょうね。
おそらくここは昔の戦場跡かなにかでしょう。」

「あんた!この切羽詰まった状況の時になにを落ちついた事言ってるのよ!
私は、あの槍で串刺しになるところだったのよ!」

「本当に危ない所でした。
ボクが呪文を唱えなければ、今頃ケイトさんは…」

「な、なによ!私に恩を売る気なの!?
良いのよ、それならここで別れたって…!」

「ち、違いますよ。
そんな気はありませんってば!」

「なら、良いんだけど…
それより、さっきのアレは何なの?」

「あぁ、あれは浮遊魔法のひとつです。
地面からほんの少し浮かんでられるんですよ。
主に沼の上を渡る時等に使われる魔法でして、上級の魔法というわけではないのですが…」

「そんな細かい説明はいらないわ!
とにかくこの魔法があれば落とし穴には落ちないっていうことなのね!
なんだかふわふわして走りにくいけど…
まぁ、いいわ!じゃあ、行くわよ!」

ケイトはアルグを掴むと自分の肩に乗せ、森の中を走り出した。
これで、もうあの危険な落とし穴に落ちる心配はない。
この森を走り抜けるだけで良いのだ…!

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

処理中です...