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「ねぇ…だいぶ歩いてきたと思うんだけど、本当にこの道で合ってんの?」
「……え…えぇ…多分…」
「多分って何よ、多分って!!」
「……それがですね。
おじさん達が向かった先の見当はついているのですが…
なにぶん、僕は地理には疎くてですね…」
「なに~~!
あんた、まさか方向音痴なんじゃないでしょうね!」
「いくらなんでも方向音痴ではないと思うのですが…
ただ、僕は、村の外には出たことがないので、確かな方向はよくわからないと言いますか、どっちが北でどっちが南なのかがよくわからないと言いますか…」
「あのねぇ……
それを世間じゃ方向音痴って言うのよ!!
あぁぁ、もうっっ!!なんか目印みたいなもんはないの?
距離のことでもなんでも良いから、わかることを話しなさい!!」
「そう言われましても、おおまかな方角くらいしか…」
「ほんっとに頼りにならないんだから…!!
確かホープシーって町を通って行くって言ってたわね。
今度、誰かに会ったら、その町のことを聞いてみないと…」
「そうですね!
それが良いと思います。」
にっこり微笑むアルグを見て、ケイトは連れてくる小人を間違ったことを後悔していた。
しかし、今さら、もっと地理に詳しい小人と取り変えに帰るわけにもいかない。
この旅が前途多難なものになることを覚悟し、ケイトは歩き続けた。
しばらく進むと、ケイトは農夫らしき老人と出会った。
「あ!おじいさん、すみません!」
「はいはい、なにかな?」
「あの…私、ホープシーの町に行きたいんですが、ホープシーへはこの道で良いのかしら?」
「ホープシー?
あんた、誰に聞いてきなすった?
ホープシーなら見当はずれだよ。
もっとずーーーっと北に行かないと…」
「えええーーーー!!
そうなんですか?
じゃ、ここはホープシーとはまったく違う方向…?」
「あんた、どこから来なすったんじゃな?」
「えっと…あの、ラグラの森の方から…」
「ラグラの森!
じゃあ、まずはラグラの森ヘ戻った方がええかもしれんのう…」
「そ、そんな…せっかくここまで来たのに…」
「まぁ、近道がないことはないんじゃが…」
「……え…えぇ…多分…」
「多分って何よ、多分って!!」
「……それがですね。
おじさん達が向かった先の見当はついているのですが…
なにぶん、僕は地理には疎くてですね…」
「なに~~!
あんた、まさか方向音痴なんじゃないでしょうね!」
「いくらなんでも方向音痴ではないと思うのですが…
ただ、僕は、村の外には出たことがないので、確かな方向はよくわからないと言いますか、どっちが北でどっちが南なのかがよくわからないと言いますか…」
「あのねぇ……
それを世間じゃ方向音痴って言うのよ!!
あぁぁ、もうっっ!!なんか目印みたいなもんはないの?
距離のことでもなんでも良いから、わかることを話しなさい!!」
「そう言われましても、おおまかな方角くらいしか…」
「ほんっとに頼りにならないんだから…!!
確かホープシーって町を通って行くって言ってたわね。
今度、誰かに会ったら、その町のことを聞いてみないと…」
「そうですね!
それが良いと思います。」
にっこり微笑むアルグを見て、ケイトは連れてくる小人を間違ったことを後悔していた。
しかし、今さら、もっと地理に詳しい小人と取り変えに帰るわけにもいかない。
この旅が前途多難なものになることを覚悟し、ケイトは歩き続けた。
しばらく進むと、ケイトは農夫らしき老人と出会った。
「あ!おじいさん、すみません!」
「はいはい、なにかな?」
「あの…私、ホープシーの町に行きたいんですが、ホープシーへはこの道で良いのかしら?」
「ホープシー?
あんた、誰に聞いてきなすった?
ホープシーなら見当はずれだよ。
もっとずーーーっと北に行かないと…」
「えええーーーー!!
そうなんですか?
じゃ、ここはホープシーとはまったく違う方向…?」
「あんた、どこから来なすったんじゃな?」
「えっと…あの、ラグラの森の方から…」
「ラグラの森!
じゃあ、まずはラグラの森ヘ戻った方がええかもしれんのう…」
「そ、そんな…せっかくここまで来たのに…」
「まぁ、近道がないことはないんじゃが…」
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