上 下
61 / 291
scene 4

しおりを挟む




 「クシュン!」

「大丈夫ですか、ケイトさん。
風邪ひいたんですか?」

「風邪なんてひいてないわ。
きっと、誰かが私のことを噂してるのよ。
…イアン牧師かもしれないわね。」

「…今頃、皆、大騒ぎしてるでしょうね…」

「そうね…!
イアン牧師はきっとものすごく怒ってるわ…
あ~あ、今度、顔合わせるのが怖いわ…」

「その割りには、ずいぶん思いきったことをしたもんですね。」

「だって、こうでもしないと…」

「…オルジェさんのことがそんなに心配になりますか?」

「な、な、なによ!
私はただ幼馴染みとして…」

「あれ~?
ケイトさん、どうしたんですか?
なんだか顔が赤いですよ!」

「あんたを担いで歩いてるせいよ!
けっこう重いんだから!
おかしなこと言うんだったら、ここに置いていくわよ!」

「僕をおいていったら、オルジェさんの行き先はわかりませんよ。」

「良いわよ!
私一人で探すから!」

ケイトは肩に乗せていたアルグをひょいとつかみ、無造作にどすんと落とした。

「…このあたりは野犬が多いらしいから、食べられないように気を付けなさいね~
じゃ…」

「ケイトさん!待ってください!!
僕が悪かった!
おかしなことはもう言いませんから、一緒に連れていって下さい!」

涙目で訴えるアルグをケイトはじらす。

「う~ん、どうしようかなぁ…」

「ケイトさん!
僕は治療の知識がありますし、おじさん程ではないけどちょっとした魔法も使えます。
必ず、役に立ちますから、どうぞ置いて行かないで下さい!」

「…そうなの?
仕方ないわね。
じゃ、連れていってあげる。
でも、今度、変なこと言ったら、その時は…わかってるわね…?」

「は、はいっ!!」

かくして、アルグは再び、ケイトの肩に座ることを許されたのだった。 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

処理中です...