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scene 3
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それから、程なくして湖の上を走ってくる大勢の小人達の姿があった。
「あ!この人間だ!」
「こいつのせいで、村があんなことに…!」
「皆でやっちまおうぜ!」
妖精達がトレルに詰め寄る。
「待ってください!」
皆を制したのはティンガだった。
トレルの様子にただならぬものを感じたティンガは、村の皆をいち早く避難させていたのだ。
村は無惨にも火の海になってしまったが、ティンガの機転のおかげで村の人々は一人も欠けることなく無事に避難することが出来た。
「トレルさん!トレルさん!」
トレルはその呼びかけにぴくりとも動かない。
「アルグ、この人を診てみて下さい。」
「父さん…この人間はもしかしたら、おかしな薬を飲まされているのかもしれません。」
「やはり、何か裏がありそうですね。
とりあえず、森の奥へ行きましょう!
みんなでトレルさんを運ぶのです!」
妖精達は、森の奥深くへと移動した。
「皆さん、無事でなによりでした。
あの炎は水をかけても消せません。
三日三晩燃え続ける邪悪な炎なのです。
その間はここで暮らし、火がおさまってから村の再建に取りかかりましょう!」
「村長!なんでそんなことがわかるんだ?」
「他の村が焼かれた時がそうだったからです。
おそらく、火をつけたのは同じ犯人…」
「こいつか?!」
「他の村が焼かれたのは遥か昔のこと。
この人間であるはずがありません。」
「でも、同じ犯人だって…」
「私は、今日やっとわかったのです。
……これはきっと悪魔の仕業だと…」
「悪魔…?!でも、悪魔は村には入れない!」
「その通りです。
ですが、悪魔が乗り移った人間ならどうでしょう?」
妖精達の間にざわめきが広まった。
「じゃ、この人間は悪魔に操られて…?」
「おそらくそうだと思います。
そのためにも、トレルさんを治して事情をお聞きしなければ!
アルグ、頼みましたよ!」
アルグは、深く頷いた。
「あ!この人間だ!」
「こいつのせいで、村があんなことに…!」
「皆でやっちまおうぜ!」
妖精達がトレルに詰め寄る。
「待ってください!」
皆を制したのはティンガだった。
トレルの様子にただならぬものを感じたティンガは、村の皆をいち早く避難させていたのだ。
村は無惨にも火の海になってしまったが、ティンガの機転のおかげで村の人々は一人も欠けることなく無事に避難することが出来た。
「トレルさん!トレルさん!」
トレルはその呼びかけにぴくりとも動かない。
「アルグ、この人を診てみて下さい。」
「父さん…この人間はもしかしたら、おかしな薬を飲まされているのかもしれません。」
「やはり、何か裏がありそうですね。
とりあえず、森の奥へ行きましょう!
みんなでトレルさんを運ぶのです!」
妖精達は、森の奥深くへと移動した。
「皆さん、無事でなによりでした。
あの炎は水をかけても消せません。
三日三晩燃え続ける邪悪な炎なのです。
その間はここで暮らし、火がおさまってから村の再建に取りかかりましょう!」
「村長!なんでそんなことがわかるんだ?」
「他の村が焼かれた時がそうだったからです。
おそらく、火をつけたのは同じ犯人…」
「こいつか?!」
「他の村が焼かれたのは遥か昔のこと。
この人間であるはずがありません。」
「でも、同じ犯人だって…」
「私は、今日やっとわかったのです。
……これはきっと悪魔の仕業だと…」
「悪魔…?!でも、悪魔は村には入れない!」
「その通りです。
ですが、悪魔が乗り移った人間ならどうでしょう?」
妖精達の間にざわめきが広まった。
「じゃ、この人間は悪魔に操られて…?」
「おそらくそうだと思います。
そのためにも、トレルさんを治して事情をお聞きしなければ!
アルグ、頼みましたよ!」
アルグは、深く頷いた。
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