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scene 2
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(やっぱりティンガには子供もいるのか…!
あんな可愛い顔してるくせに、なんてこった…
……はっ!…そんなことじゃなかった…!)
「リンク!ひどいこと言うじゃないか!
ここまで一緒に旅をして来た仲間に対して…」
「まぁ、そう言うな。
実は、人間に対してはちょっといやな記憶があってな…
ボクはともかく、妖精の中には人間に警戒心を持ってる者もまだ多いんだ…」
「そうなのか…」
オルジェは詳しい事を聞くことはしなかったが、どういうことなのかはなんとなく予想がつくような気がしていた。
人間の中には自分の欲望のためには自然や他の生き物、自分以外の人間を平気で傷付ける奴も少なくはない。
そういう人間のことはオルジェ自身も嫌悪していた。
「ま、そのうち、きっと皆もおまえのことをわかってくれるさ」
「そうだと良いけどな…」
「ふぁぁ~…今日は疲れたな。
早めに寝るとするか。
あ、おまえは、倉庫に寝たら良いな。」
「そ、倉庫?なんで、倉庫なんだ。」
「ボク達の家はおまえには窮屈だろう?」
「そ、そりゃあそうだけど…そういえば、リンクの家はどこなんだよ?」
「ボクの家はここさ。」
「ここ?」
オルジェは小さく首を傾げる。
「オルジェさん…リンクと私は兄弟なんですよ。」
「え~~~っっ!」
(だから、二人はこんなに似てるんだな…)
リンクはさっさと二階の自分の部屋に入ってしまい、ティンガがオルジェを少し離れた倉庫へ案内した。
「では、また明日…おやすみなさい。」
「あぁ、おやすみ…」
倉庫の片隅で、オルジェはごろんと横になった。
これじゃあ、野宿とあまり変わらないような気もするが、屋根があるだけマシだと思うべきなのか…
(ユフィルを出てから、まともなベッドで寝たことないな…)
心の中で小さな愚痴をこぼしながら、オルジェは眠りに落ちていった…
あんな可愛い顔してるくせに、なんてこった…
……はっ!…そんなことじゃなかった…!)
「リンク!ひどいこと言うじゃないか!
ここまで一緒に旅をして来た仲間に対して…」
「まぁ、そう言うな。
実は、人間に対してはちょっといやな記憶があってな…
ボクはともかく、妖精の中には人間に警戒心を持ってる者もまだ多いんだ…」
「そうなのか…」
オルジェは詳しい事を聞くことはしなかったが、どういうことなのかはなんとなく予想がつくような気がしていた。
人間の中には自分の欲望のためには自然や他の生き物、自分以外の人間を平気で傷付ける奴も少なくはない。
そういう人間のことはオルジェ自身も嫌悪していた。
「ま、そのうち、きっと皆もおまえのことをわかってくれるさ」
「そうだと良いけどな…」
「ふぁぁ~…今日は疲れたな。
早めに寝るとするか。
あ、おまえは、倉庫に寝たら良いな。」
「そ、倉庫?なんで、倉庫なんだ。」
「ボク達の家はおまえには窮屈だろう?」
「そ、そりゃあそうだけど…そういえば、リンクの家はどこなんだよ?」
「ボクの家はここさ。」
「ここ?」
オルジェは小さく首を傾げる。
「オルジェさん…リンクと私は兄弟なんですよ。」
「え~~~っっ!」
(だから、二人はこんなに似てるんだな…)
リンクはさっさと二階の自分の部屋に入ってしまい、ティンガがオルジェを少し離れた倉庫へ案内した。
「では、また明日…おやすみなさい。」
「あぁ、おやすみ…」
倉庫の片隅で、オルジェはごろんと横になった。
これじゃあ、野宿とあまり変わらないような気もするが、屋根があるだけマシだと思うべきなのか…
(ユフィルを出てから、まともなベッドで寝たことないな…)
心の中で小さな愚痴をこぼしながら、オルジェは眠りに落ちていった…
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