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scene 2
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「見なかった…そうか」
ついに三軒目の宿でもオルジェの痕跡を見つけられず、トレルはガックリと肩を落とした。
となれば、自分の判断が間違っていた事になる。
ゴードの町に来ていなければ、オルジェはラグラの森に向かった事になるが…。
(森を抜けてホープシーの村に行くつもりか…)
まさかイアンの術がオルジェの進路を変えてしまったのだと、トレルは夢にも思わない。
そしてリンクに会わなければ、今頃はきっと…。
トレルは最初の宿に戻ると、宿泊をキャンセルした。
馬を引いて町を出ようとした所で、
「お前さん、何をそんなに慌てているのかね?」
背中を丸めた老人が話しかけてきた。
手に掲げたランプが、表情に不気味な陰影を落とす。
(こいつは…)
厄介なものに捕まったと悟ったが、もう遅い。
話しかけられた時、気づかぬフリをして通り過ぎれば良かったのだろうが、目が合ってしまった。
トレルはギリッと唇を噛みしめる。
「何かお探しかね、それとも困り事かね?」
なおも老人は話しかけてくる。
どうやらトレルが答えるまで、掴んだ服の裾を離さないつもりらしい。
「見なかった…そうか」
ついに三軒目の宿でもオルジェの痕跡を見つけられず、トレルはガックリと肩を落とした。
となれば、自分の判断が間違っていた事になる。
ゴードの町に来ていなければ、オルジェはラグラの森に向かった事になるが…。
(森を抜けてホープシーの村に行くつもりか…)
まさかイアンの術がオルジェの進路を変えてしまったのだと、トレルは夢にも思わない。
そしてリンクに会わなければ、今頃はきっと…。
トレルは最初の宿に戻ると、宿泊をキャンセルした。
馬を引いて町を出ようとした所で、
「お前さん、何をそんなに慌てているのかね?」
背中を丸めた老人が話しかけてきた。
手に掲げたランプが、表情に不気味な陰影を落とす。
(こいつは…)
厄介なものに捕まったと悟ったが、もう遅い。
話しかけられた時、気づかぬフリをして通り過ぎれば良かったのだろうが、目が合ってしまった。
トレルはギリッと唇を噛みしめる。
「何かお探しかね、それとも困り事かね?」
なおも老人は話しかけてくる。
どうやらトレルが答えるまで、掴んだ服の裾を離さないつもりらしい。
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