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scene 1

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「あ、そうだ。お前に伝言があるの、忘れてた」

突然思い出したように、トレルが口を開いた。

どうせロクでもない事だろうとオルジェが無視していると、

「イアン牧師が礼拝堂に来るよう言ってたぞ」

「…!?」

イアンの名前に、彼はガバッと飛び起きた。

「てめー、何でそれを1番に言わねーんだよっ」

ギッと睨みつけると、一目散に彼は教会に向かって走り出す。

イアン牧師はこの教会で1番偉く、そして厳しい人だった。

オルジェも彼にだけは逆らえない。

「大切な話だとさ!」

後ろからトレルの声が追いかけてくる。

(畜生、覚えてろよ!)

心の中で捨て台詞を吐いた時、

「オルジェー、イアン牧師が呼んでるよー」

正面にケイトが大きく手を振っている姿が見えた。 
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