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side ひかり
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「ひかり……ごめんな…」
ふと会話が途切れた時、シュウがぽつりと呟いた。
「ごめんって…何が?」
「いや……こんなことになってしまったから。」
「何言ってんの?
私は、シュウと一緒にいたかったからそれでこの道を選んだだけ。
シュウが謝ることなんて、何もないよ。」
「ひかり……
後悔してない?
これから俺と二人で住むことに不安はない?」
「ないない。
私はシュウと一緒にいられれればそれで幸せなんだから。」
「ひかり……俺のこと…好き?」
その眼差しは息が詰まりそうになる程、真剣なもので……
「なによ、今更!
そんなこっぱずかしいこと聞かないで!」
私は照れ隠しにそう答え、シュウの腕を叩いた。
「ねぇ、答えてよ。
本当に俺のこと、好き?
もう一度、ひかりの口からしっかりと聞きたいんだ。」
そんなこと……
「……好きに決まってるでしょう!
だから、ここまで来たんだよ!
たとえ、父さんや母さんと別れることになっても、シュウと一緒にいたいと思ったから……
だから、ここまで来たんだよ!
シュウのことが死ぬほど大好きだから!」
押さえてた感情がついに爆発し、作り笑顔を壊した。
泣いちゃいけないと唇を噛み締めたけど、それでも、言うことを聞かない涙がぽろぽろこぼれ落ちて……
「ひかり…ありがとう!」
シュウの身体が覆い被さるようにして私はきつく抱き締められた。
シュウの温もりに触れ、私はなぜだか林道の近くで迷子になったあの日のことを思い出していた。
帰れなくなって心細くて不安がいっぱいでどうしようもなかった時に、シュウは迎えに来てくれた。
あの時、どれほど安心したことか……
「シュウ…私…シュウのことが大好き。
ずっと…ずっと、傍にいてほしい。
シュウがいてくれないと…だめなの…
そうじゃないと、私、きっとまた……」
シュウの身体が私から離れて、きらきら輝くシュウの視線が私を捕らえた。
「……いるよ。
俺はずっとひかりの傍にいる……」
「シュウ……」
再び近付いて来るシュウに、私は自然に瞳を閉じた。
抱き締められて、シュウのやわらかい唇が私の唇に重なった。
この前の触れたかどうだかわからないような軽いキスとは違い、頭の芯が痺れるような想いのこもった熱い唇……
シュウは本気で私の目の前から姿を消そうとしている。
きっと、もう二度と会わないつもりなんだ……
(これは、お別れのキス……)
私は、シュウのそんな哀しい決意を感じ胸が熱くなった。
ふと会話が途切れた時、シュウがぽつりと呟いた。
「ごめんって…何が?」
「いや……こんなことになってしまったから。」
「何言ってんの?
私は、シュウと一緒にいたかったからそれでこの道を選んだだけ。
シュウが謝ることなんて、何もないよ。」
「ひかり……
後悔してない?
これから俺と二人で住むことに不安はない?」
「ないない。
私はシュウと一緒にいられれればそれで幸せなんだから。」
「ひかり……俺のこと…好き?」
その眼差しは息が詰まりそうになる程、真剣なもので……
「なによ、今更!
そんなこっぱずかしいこと聞かないで!」
私は照れ隠しにそう答え、シュウの腕を叩いた。
「ねぇ、答えてよ。
本当に俺のこと、好き?
もう一度、ひかりの口からしっかりと聞きたいんだ。」
そんなこと……
「……好きに決まってるでしょう!
だから、ここまで来たんだよ!
たとえ、父さんや母さんと別れることになっても、シュウと一緒にいたいと思ったから……
だから、ここまで来たんだよ!
シュウのことが死ぬほど大好きだから!」
押さえてた感情がついに爆発し、作り笑顔を壊した。
泣いちゃいけないと唇を噛み締めたけど、それでも、言うことを聞かない涙がぽろぽろこぼれ落ちて……
「ひかり…ありがとう!」
シュウの身体が覆い被さるようにして私はきつく抱き締められた。
シュウの温もりに触れ、私はなぜだか林道の近くで迷子になったあの日のことを思い出していた。
帰れなくなって心細くて不安がいっぱいでどうしようもなかった時に、シュウは迎えに来てくれた。
あの時、どれほど安心したことか……
「シュウ…私…シュウのことが大好き。
ずっと…ずっと、傍にいてほしい。
シュウがいてくれないと…だめなの…
そうじゃないと、私、きっとまた……」
シュウの身体が私から離れて、きらきら輝くシュウの視線が私を捕らえた。
「……いるよ。
俺はずっとひかりの傍にいる……」
「シュウ……」
再び近付いて来るシュウに、私は自然に瞳を閉じた。
抱き締められて、シュウのやわらかい唇が私の唇に重なった。
この前の触れたかどうだかわからないような軽いキスとは違い、頭の芯が痺れるような想いのこもった熱い唇……
シュウは本気で私の目の前から姿を消そうとしている。
きっと、もう二度と会わないつもりなんだ……
(これは、お別れのキス……)
私は、シュウのそんな哀しい決意を感じ胸が熱くなった。
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