赤い流れ星

ルカ(聖夜月ルカ)

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side ひかり

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そして、もう一つ、私には頭を痛めることがあった。
それは、父さん達が今度の連休に来るって言ってること。
シュウは、その間、町のカラオケかどこかで時間を潰すって言ってるけど、それも大変だし、そうかといってホテルを取ってあげるだけのお金はない。
そもそも、ホテル自体がずいぶん遠くまで行かないとないし……

それよりも何よりも、家の中の様子もまた変えないといけないのが大変だ。
綺麗にしてるのは掃除をするようになったからだと言うとしても、この家にはシュウの存在がだいぶ染みついてきてるから、それを全部隠さないといけないんだもの。
そんな悩みを抱えていることを、シュウには言い出せず、私は日夜、何か良い策はないものかと考え続けていた。

そんなある日、私の頭にようやく良いアイディアが舞い降りた!







「シュウ、突然なんだけど、今度の連休、実家に帰って来るね。」

「実家に?そっか…
それは良いな、ご両親も喜ばれるだろうし、ゆっくりして来いよ。」

「ううん、その日のうちに戻って来る。」

「なんでだよ?」

「だって……近所の目もあるし…私はあんまりうろうろしない方が良いんだ。」

そう言ったのは嘘ではなかったけど、本当はシュウと離れるのが寂しくて、シュウのことが心配だったから。



「そんなこと、何も気にすることないって。
地方の大学に行ってるってことになってるんだろ?
だったら、連休に戻っても何もおかしなことないじゃないか。
交通費ももったいないし、ゆっくりして来いよ。」

「だって……別に、用事もないし……」

「実家は用事があるからって行くような所じゃないだろ。
とにかく、こっちのことは心配ないから、ゆっくりして来い。」



なによ、なによ、ゆっくり、ゆっくりって!
私は、シュウのことがこんなに心配なのに、シュウは私がいなくなってもちっとも寂しくなさそうじゃない。
おかしい!
シュウは、私のことが大好きな筈なのに、なんでそんなに平気なんだろう?
私が実家に戻って、誰か他の男と…なんて、妄想はないのか…!?
まぁ、そんなことがないことは、私自身にもよくわかってるんだけど……
それにしても、あまりにも冷たいんじゃないですか!?

私は、なんとも言えない寂しい想いを感じてた。



母さんには実家に必要なものがあるから取りに帰ると言って納得させた。
それもただの口実じゃない。
でも、取りに行くのは私のものじゃなくて兄さんのもの。
兄さんはシュウと体格が似てるから、服をもらって来ようと考えたんだ。
高校を卒業してしばらくしてから家を出てるから、家にあるのは当時のものがほとんどだけど…兄さんはその頃から背は高かったから、まぁ、なんとかなると思う。
靴も合うと良いんだけどなぁ…
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