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2008クリスマス企画

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「なんだ、こりゃ!」

ジュリアンとクロッカスは同時にそれに手を伸ばす。




 「う、うわっ!なんかいるぞ!!」

 「小人だ!!」

 「小人…?」

アズロが小瓶を受け取り見てみると、羽根を持った小さな者が、必死になって中から助けてくれとアピールしていた。



 「妖精のようですね。」

アズロは小瓶の蓋をそっと回す。
すると、そこから中にいた妖精が煙のように飛び出した。



 「助けて下さってどうもありがとうございます!
お礼に、なにか一つだけ願いを叶えて差し上げましょう!」



 「えーーーっ!!マジかよ!」

 「な、な、なんでも良いんだな!」

ジュリアンとクロッカスは煩悩の全てを頭に浮かべる…



(宝石に、最高級マシンガン、現ナマ…)

 (ラりマー、ハイパーシーン、スギライトにファントムクォーツ…)



 二人の欲望は限りなく、どれを頼むか迷いに迷っていた。
 数ある欲しいものリストの中からたった一つだけとなると決めるのは難しい。
 二人が煩悩と戦う最中、二人の後ろから金髪の美少女が現れた。




 「こんなとこにいたのか、ずいぶん探したよ…あぁ、それにしても腹減った。
キムチのおにぎりが食べたいなぁ…」

 「かしこまりました。
キムチのおにぎりですね!」

 妖精がそう言った瞬間、月夜の手の平には、キムチのおにぎりが乗っていた。




 「おっ!サービス良いねぇ!」

 月夜は、キムチのおにぎりに大きな口でかぶりつく。



 「うん、うまいうまい。
あ、お茶はないの?」

 「申し訳ありませんが、お礼は一点のみとなっております。
では、私はこのへんで…」

 妖精は、手を振りながらひらひらとどこかへ飛んで行ってしまった…



「え………?!」



その場に遺された三人は、おにぎりを食べる月夜を放心したようにみつめるのみだった…
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