あれこれ短編集

ルカ(聖夜月ルカ)

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2008クリスマス企画

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「よぅし!絶対に掘り出すぞぅ!!」

 長い髪の毛を一つに束ねたジュリアンがつるはしを振るう。



 『路銀もそろそろ底を着いてきたのだろう?
 良い石が出ると良いな。』

ジュリアンの傍に腰掛けているの美少年・エレスの姿は、ジュリアンにしか見えない。



 「そうだな。
でも、珍しい石だったら売らないけどな。」

 『おまえは本当に石が好きだからな…』

そんなジュリアンに呆れながらも、エレスは少し嬉しそうに微笑んだ。

エレスとの会話もやめて、ジュリアンが本格的に土を掘り出した。
ジュリアンの顔からは玉の汗が噴き出す。



 『ジュリアン……さっきからおかしな男が…』

 「おかしな奴?」

エレスの声に、ジュリアンのつるはしが止まった。



 『振り向くな!
 何気ない振りをして見てみろ。』

エレスに言われるままに、ジュリアンは汗を拭くふりをしながら、その男の方を見た。



 「や…やばいじゃないか。
あいつ、マシンガンを持ってやがる。
しかも、こんな山ん中にスーツにグラサンだぜ。
ハッ!あいつ、もしかして、俺の命を…」

 『狙われるような覚えでもあるのか?』

 「いや、そんなもんはないが…
でも、最近は逆恨みする奴やら、まるで無関係な奴を狙う奴だっているからな。」

 『確かにおまえは普段から態度のデカイ所があるからな。
どこかで知らないうちに恨みを買うということは十分にある…あっ!ジュリアン!大変だ!
あいつがこっちにやって来るぞ!』

 「な、なにっ?!」



 「おい、そこのあんた!」

ジュリアンに心の準備が出来ないうちに、黒眼鏡の男の声が飛んだ。
 咄嗟にジュリアンは男の後ろに回り込み、腕を取って男をその場にねじ伏せる。




 「な、何をしやがる!」

 「そうは行くか!この俺様がそうやすやすと殺られると思ったのか?」

 「な、な、何、わけのわからないことを言ってやがるんだ!
とにかく、離せったら離せ!離しやがれ!」

 「離せと言われて離す馬鹿がどこにいる!」

ジュリアンは、男の首の後ろに重い手刀を入れた。
 男は短い声と共に、その意識を失った。
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