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星屑の欠片
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「変わった奴だな…」
(僕はずっとここにいるからね。)
「どういうことなんだ?
それが、何か関係あるのか?」
(ジョゼットに聞かなかった?
ここは星屑の丘、昔はここで天の星々に願いをかければその願いは叶えられるってことで、ここを訪ねて来る人もけっこういたんだけどね。
でも、ここは、ほら、こんなに寒いし…ここまで来るのはけっこう大変だろ?
だから、いつの間にかあんまり来る人もいなくなったんだ。)
「あぁ…本当に酷い所だな。
俺もここに来る途中、あやうく谷に落っこちそうになったよ。
人が来なくなるのももっともだな。
そんなくだらない伝説を信じて、命を落としちゃ元も子もないからな。」
(伝説じゃないよ。
ここには、気の遠くなる程の昔からたくさんの星屑の欠片が毎晩降り注いでるんだ。
星には不思議な力が宿ってることは知ってるよね?
ここに降ってくる欠片は、そりゃあ小さなものだけど、小さくても長い間ずっと降り積もってるからここは特別な場所なんだ。)
「星屑の欠片…ねぇ…」
(ケヴィン、見てごらん!
君にならきっと見えるよ。
ジョゼットが信じてた星の欠片は今もずっと降って来てるんだ。
それを信じて、見てごらんよ。)
ケヴィンは、目を凝らし空を見上げた。
張り詰めたような冷たい空気の中、手を伸ばせば届きそうに思える星の煌き…
そして…
「あ……」
ケヴィンの目に、キラキラと光るものが降り注ぐのが映った。
それは錯覚かと思うほど小さな…雪の結晶よりも小さなもので…
「まさか…このキラキラしてるのが、星屑の欠片なのか…?」
(そうだよ!
やっぱり、君には見えたんだね…!)
雪だるまの声は明るく弾んでいた。
「じゃ…じゃあ、あの時、ジョゼットが…いや、せめて俺がここに来ていたら…
ジョゼットは…」
(それは……)
「どっちなんだよ!
ここに来てたら、ジョゼットは助かってたのか?!
どうなんだ!はっきり答えろよ!」
ケヴィンは、雪だるまにしがみつくように問い詰めた。
(……それは僕にはわからない…)
「なんだよ!いいかげんな奴だな!
だったら、ただの伝説じゃないなんて言えないじゃないか…!」
ケヴィンは雪だるまから身体を離し、前に向き直った。
(僕はずっとここにいるからね。)
「どういうことなんだ?
それが、何か関係あるのか?」
(ジョゼットに聞かなかった?
ここは星屑の丘、昔はここで天の星々に願いをかければその願いは叶えられるってことで、ここを訪ねて来る人もけっこういたんだけどね。
でも、ここは、ほら、こんなに寒いし…ここまで来るのはけっこう大変だろ?
だから、いつの間にかあんまり来る人もいなくなったんだ。)
「あぁ…本当に酷い所だな。
俺もここに来る途中、あやうく谷に落っこちそうになったよ。
人が来なくなるのももっともだな。
そんなくだらない伝説を信じて、命を落としちゃ元も子もないからな。」
(伝説じゃないよ。
ここには、気の遠くなる程の昔からたくさんの星屑の欠片が毎晩降り注いでるんだ。
星には不思議な力が宿ってることは知ってるよね?
ここに降ってくる欠片は、そりゃあ小さなものだけど、小さくても長い間ずっと降り積もってるからここは特別な場所なんだ。)
「星屑の欠片…ねぇ…」
(ケヴィン、見てごらん!
君にならきっと見えるよ。
ジョゼットが信じてた星の欠片は今もずっと降って来てるんだ。
それを信じて、見てごらんよ。)
ケヴィンは、目を凝らし空を見上げた。
張り詰めたような冷たい空気の中、手を伸ばせば届きそうに思える星の煌き…
そして…
「あ……」
ケヴィンの目に、キラキラと光るものが降り注ぐのが映った。
それは錯覚かと思うほど小さな…雪の結晶よりも小さなもので…
「まさか…このキラキラしてるのが、星屑の欠片なのか…?」
(そうだよ!
やっぱり、君には見えたんだね…!)
雪だるまの声は明るく弾んでいた。
「じゃ…じゃあ、あの時、ジョゼットが…いや、せめて俺がここに来ていたら…
ジョゼットは…」
(それは……)
「どっちなんだよ!
ここに来てたら、ジョゼットは助かってたのか?!
どうなんだ!はっきり答えろよ!」
ケヴィンは、雪だるまにしがみつくように問い詰めた。
(……それは僕にはわからない…)
「なんだよ!いいかげんな奴だな!
だったら、ただの伝説じゃないなんて言えないじゃないか…!」
ケヴィンは雪だるまから身体を離し、前に向き直った。
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