あれこれ短編集

ルカ(聖夜月ルカ)

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タイトル未定

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メイドさんは、からかってはいなかった。
その後、出会った人に同じ質問をしたら、皆が同じように答えたからだ。



 (ありえない……)



 僕にはまだ信じられなかったけれど、日にちが経つにつれ、部屋の中以外にも出歩けるようになって、僕がいるのがお城だってことはわかった。
そして、あの中年の男性がこの国の王様だってことも知った。
その王様直々に、僕は告げられた。



この国を継ぐ者として、僕が召喚されたってことを。



そう、みんなの言ったことはやっぱり真実だったんだ。
なんでも、王妃様にも側室の方々にも子供が出来ず、王様が魔導士に訊ねたところ、それは呪いによるものだということだった。
このままではこの国は滅びてしまう。
ロワイユ王国を存続するためには、異なる世界から選ばれし王子を召喚するしかないと言われたらしい。
しかも、子供を授からないことはずっと以前から予言されていたのだとか。
 召喚する日取りまで決まってたっていうんだから驚きだ。



でも、なぜ僕なんだ?
 国を治める王様に、こんな平凡なサラリーマンの僕が選ばれるなんておかしいじゃないか。
きっと誰しもがそう思うはずだ。
だけど、王様はよほど魔導士を信じているようだ。
こんな僕なのに、何の疑問も抱いていないみたいだ。

 
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