あれこれ短編集

ルカ(聖夜月ルカ)

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タイトル未定

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 「幸いなことに、健康状態には問題はないかと思われます。」

 「そうか…それは良かった。」



 西洋風の外見なのに、なぜだか日本語だ。
 僕の脈を取る老人は、きっとお医者さんだと思う。
その隣で偉そうにしている中年の男性は、一体誰だろう?
 周りのみんなが、その人に気を遣ってるのがわかる。
 偉そうにしてるだけじゃなくて、きっと偉い人なんだろう。



 「あ…あの…ここは……」

 「心配はいらぬ。
 今はとにかく、ゆっくりと休むのだ。」

 「は、はぁ……」



そう言われても、こんな状況でゆっくりなんて出来るはずがない。
 僕の頭の中は、疑問でいっぱいなんだから。



まず、ここがどこなのか、そして、なぜ、僕がこんなところにいるのかだけで良いから教えて欲しい。
そんなことを思っていたら、メイドのような恰好の女性が、水差しを持って現れた。



 「お薬をお持ちしました。」

 「え?薬…?僕は特に悪いところは…」

 「お体の回復を促すお薬だそうです。」



いかにも手作り感のある黒い丸薬だ。
 飲みたくはないけど、メイドさんはじっと僕を見ているし、飲まないわけにはいかないようだ。
とりあえず、死ぬようなことはないだろうと思い、僕はそれを口の中に放り込んだ。
それは、思わず顔が歪むほど、苦い薬だった。
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