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三番目の夢
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「よぅっ!久しぶり!」
悟は、まるで先月会ったかのような軽い挨拶をする。
「ひ、久しぶりだね、元気だった?」
「まぁな。おまえも元気そうだな。
でも…老けたな。」
「酷い!悟だって……」
ううん、悟は老けてなんていない。
むしろ、あの頃より落ち着きが出て格好良くなった。
「……嘘だよ。
老けてなんていない。
……すごく綺麗になった。」
「悟……」
まっすぐにみつめられて、まるで少女のように胸がときめいた。
私はもうそんなお世辞で喜ぶような年じゃないのに…
「寒いから、どこかでお茶でも飲むか?」
「うん…そうだね。」
私達は、すぐ傍の小さなカフェに入った。
20年前にはなかったお店だ。
ふたりで並んで歩く間も、なんだか可笑しい程、私は浮かれていた。
悟と会えたことでこんなにも胸が弾むなんて、私…本当に馬鹿みたい。
私って、本当は一途な女だったんだ。
今更にしてそんなことに気付き、なんだか恥ずかしくなる。
(38歳の一途な女なんて、ただの痛い女じゃないの…)
そんな悪態を自分自身に吐いてみる。
悟は、まるで先月会ったかのような軽い挨拶をする。
「ひ、久しぶりだね、元気だった?」
「まぁな。おまえも元気そうだな。
でも…老けたな。」
「酷い!悟だって……」
ううん、悟は老けてなんていない。
むしろ、あの頃より落ち着きが出て格好良くなった。
「……嘘だよ。
老けてなんていない。
……すごく綺麗になった。」
「悟……」
まっすぐにみつめられて、まるで少女のように胸がときめいた。
私はもうそんなお世辞で喜ぶような年じゃないのに…
「寒いから、どこかでお茶でも飲むか?」
「うん…そうだね。」
私達は、すぐ傍の小さなカフェに入った。
20年前にはなかったお店だ。
ふたりで並んで歩く間も、なんだか可笑しい程、私は浮かれていた。
悟と会えたことでこんなにも胸が弾むなんて、私…本当に馬鹿みたい。
私って、本当は一途な女だったんだ。
今更にしてそんなことに気付き、なんだか恥ずかしくなる。
(38歳の一途な女なんて、ただの痛い女じゃないの…)
そんな悪態を自分自身に吐いてみる。
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