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カーネーションをあなたに…
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俺の母親は実の母親ではない。
所謂、継母だ。
俺の本当の母親は俺が生まれてすぐに亡くなったらしくって、親父は俺が三つの時に今の母親と再婚した。
俺には本当の母親の記憶なんてないし、今の母親を本当の母親だと思って育って来た。
ところが、おせっかいな人っていうのはどこにでもいるもので、中学の頃、その母が本当の母親ではないということを俺は知ってしまった。
当然、俺は大きなショックを受けた。
今にして思えば、時期が悪かったんだ。
思春期という厄介なやつのせいだ。
「俺の母親は継母だからな。
本気で可愛いなんて思ってるはずはないよな。」
そんな風に感じた事は今まで何一つなかったと言うのに、俺はそんなことを友達に話していた。
作ってくれた弁当を食べずに持ち帰ったり、つまらないいやがらせを繰り返した。
だけど、そんな時、母さんはただ哀しそうな顔をするだけで、俺には何も言わなかった。
そういう反応がまたカンに障って、なにかといえば俺は母親に酷い態度で反抗してた。
心の底ではわかってた。
母さんは何も悪くないし、俺が間違ってるってことははっきりとわかってた。
だけど…わかっていてもどうしても止められなかったんだ。
大学は、少し離れた所に進んだ。
一人暮らしは寂しくて不自由で、いつも家のことばかり考えてた。
そんな日々に耐えかねて、就職先はあえて実家の近くにして、俺はまた家に戻った。
母さんにはいつか謝ろう…離れてしまった距離を埋めたいと思いながら、それが出来ないまま、何年もの歳月が流れた。
(よしっ!今年こそは!)
目の前のブラウスをみつめながら、俺は、心を決めた。
所謂、継母だ。
俺の本当の母親は俺が生まれてすぐに亡くなったらしくって、親父は俺が三つの時に今の母親と再婚した。
俺には本当の母親の記憶なんてないし、今の母親を本当の母親だと思って育って来た。
ところが、おせっかいな人っていうのはどこにでもいるもので、中学の頃、その母が本当の母親ではないということを俺は知ってしまった。
当然、俺は大きなショックを受けた。
今にして思えば、時期が悪かったんだ。
思春期という厄介なやつのせいだ。
「俺の母親は継母だからな。
本気で可愛いなんて思ってるはずはないよな。」
そんな風に感じた事は今まで何一つなかったと言うのに、俺はそんなことを友達に話していた。
作ってくれた弁当を食べずに持ち帰ったり、つまらないいやがらせを繰り返した。
だけど、そんな時、母さんはただ哀しそうな顔をするだけで、俺には何も言わなかった。
そういう反応がまたカンに障って、なにかといえば俺は母親に酷い態度で反抗してた。
心の底ではわかってた。
母さんは何も悪くないし、俺が間違ってるってことははっきりとわかってた。
だけど…わかっていてもどうしても止められなかったんだ。
大学は、少し離れた所に進んだ。
一人暮らしは寂しくて不自由で、いつも家のことばかり考えてた。
そんな日々に耐えかねて、就職先はあえて実家の近くにして、俺はまた家に戻った。
母さんにはいつか謝ろう…離れてしまった距離を埋めたいと思いながら、それが出来ないまま、何年もの歳月が流れた。
(よしっ!今年こそは!)
目の前のブラウスをみつめながら、俺は、心を決めた。
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