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クリスマスプレゼントは靴下に
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(なぬ!?これがあるってことは……じゃあ、やっぱりあのお店は本当にあったってこと…!?
そうじゃなきゃ、今、この瞬間が幻なのか……)
私は彼に再会出来たことで、酷く興奮し、混乱していた。
もう何が夢やら妄想やら現実なのかがわからない。
「……どうかしましたか?」
「あの……今って現……い、いえ、なんでもありません。」
これは現実ですか?それとも妄想ですか?…なんて、とても聞けない。
だから、ゆっくりと、周りを見渡す。
隣の席のおじさんが広げてる新聞は、今日の日付。
一面のニュースも私が知ってるものばかり。
とりあえず、違和感は何もない。
「あの……」
彼は心配そうな顔をして私を見てた。
「すみません!なんでもないんです。」
(じゃあ、やっぱりあれは全部本当のことだったのかしら?)
ピンクの靴下を見ているうちに、私はあることに気が付いた。
「あ…もしかして、いつも、これ、持ち歩いて……」
私がそう言うと、彼はどこか照れ臭そうに微笑んだ。
「え…えぇ、お返ししないといけないと思いまして……なかなか君に会えなくて、諦めかけた頃からもまだずっと持ち歩いてたんです。
おかしな話ですよね。矛盾してますね。
それに……もしかしたら、今日か明日にはなくなってたかもしれません。」
「……どういうことですか?」
彼は、何も答えずに、さっきと同じような顔で微笑む。
どういうことだろう?と、靴下を眺めまわしていると、一部が少し盛り上がってて、その中になにかがはいっていることに気付いた。
「あら?」
それは小さな袋で……
出してみると、そこには「merry Christmas」の文字があった。
「やっぱり、靴下にはプレゼントが入ってないと…ね!?」
イケメン君ははにかんだような顔でそう言った。
「なるほど……今日か明日にはなくなってるかもっていうのはそういうことだったんですね。」
「えぇ、こうして君に会えることがなかったら、きっとこれは誰かに押し付けるしかなかった……
いや、会えるなんて本当に思ってもいなかった。」
「え…それじゃあ、これ…私がいただいて良いんですか?」
「もちろんですよ。
君に受け取ってもらいたくて、選んだんですから。」
な、なんてロマンチックなことを言うんですか!
この人が結婚詐欺師だったら、私、イチコロで騙されます。
「……わぁ……!」
袋から出て来たのは、ガーネットのペンダントだった。
ガーネットは情熱の石…
昔、某詩人の恋人が、詩人と会う時にはいつもガーネットを身に付けていて、それは「心からあなたのことを愛しています。」っていうメッセージをガーネットの宝石言葉「真実」になぞらえて伝えてたって逸話もある。
(まさか……考え過ぎよね…)
意外と自惚れ屋の自分に呆れてしまう。
でも、嬉しい…!
ガーネットは好きなだけじゃなくて、1月生まれの私の誕生石なんだもん。
それに…クリスマスにプレゼントをもらったのなんて、ものすごく久し振りのことだから、感激して私は胸が一杯になって、唇を噛みしめて必死に涙を堪えた。
そうじゃなきゃ、今、この瞬間が幻なのか……)
私は彼に再会出来たことで、酷く興奮し、混乱していた。
もう何が夢やら妄想やら現実なのかがわからない。
「……どうかしましたか?」
「あの……今って現……い、いえ、なんでもありません。」
これは現実ですか?それとも妄想ですか?…なんて、とても聞けない。
だから、ゆっくりと、周りを見渡す。
隣の席のおじさんが広げてる新聞は、今日の日付。
一面のニュースも私が知ってるものばかり。
とりあえず、違和感は何もない。
「あの……」
彼は心配そうな顔をして私を見てた。
「すみません!なんでもないんです。」
(じゃあ、やっぱりあれは全部本当のことだったのかしら?)
ピンクの靴下を見ているうちに、私はあることに気が付いた。
「あ…もしかして、いつも、これ、持ち歩いて……」
私がそう言うと、彼はどこか照れ臭そうに微笑んだ。
「え…えぇ、お返ししないといけないと思いまして……なかなか君に会えなくて、諦めかけた頃からもまだずっと持ち歩いてたんです。
おかしな話ですよね。矛盾してますね。
それに……もしかしたら、今日か明日にはなくなってたかもしれません。」
「……どういうことですか?」
彼は、何も答えずに、さっきと同じような顔で微笑む。
どういうことだろう?と、靴下を眺めまわしていると、一部が少し盛り上がってて、その中になにかがはいっていることに気付いた。
「あら?」
それは小さな袋で……
出してみると、そこには「merry Christmas」の文字があった。
「やっぱり、靴下にはプレゼントが入ってないと…ね!?」
イケメン君ははにかんだような顔でそう言った。
「なるほど……今日か明日にはなくなってるかもっていうのはそういうことだったんですね。」
「えぇ、こうして君に会えることがなかったら、きっとこれは誰かに押し付けるしかなかった……
いや、会えるなんて本当に思ってもいなかった。」
「え…それじゃあ、これ…私がいただいて良いんですか?」
「もちろんですよ。
君に受け取ってもらいたくて、選んだんですから。」
な、なんてロマンチックなことを言うんですか!
この人が結婚詐欺師だったら、私、イチコロで騙されます。
「……わぁ……!」
袋から出て来たのは、ガーネットのペンダントだった。
ガーネットは情熱の石…
昔、某詩人の恋人が、詩人と会う時にはいつもガーネットを身に付けていて、それは「心からあなたのことを愛しています。」っていうメッセージをガーネットの宝石言葉「真実」になぞらえて伝えてたって逸話もある。
(まさか……考え過ぎよね…)
意外と自惚れ屋の自分に呆れてしまう。
でも、嬉しい…!
ガーネットは好きなだけじゃなくて、1月生まれの私の誕生石なんだもん。
それに…クリスマスにプレゼントをもらったのなんて、ものすごく久し振りのことだから、感激して私は胸が一杯になって、唇を噛みしめて必死に涙を堪えた。
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