196 / 406
子鬼と姫
3
しおりを挟む
それからオイラは姫様の言った通り、お城へ連れて帰られた。
姫様は小さな頃からとても頭がよく、オイラの姿が他の人間に見えてない事もすぐに理解した。
だから、まわりに人がいる時には決してオイラと口をきかない。
素知らぬ顔をしていた。
小さな頃から、たいした役者だったんだ。
大人の前では自分の感情を絶対に出さず、姫様はとても良い子を演じていた。
だが、オイラの前では違う。
外で我慢してた分、その愚痴やヒステリーは酷いものだった。
そのうちに、姫様はオイラに仕返しをさせるようになった。
そのことにオイラが少しでも意見しようものなら、姫様は決まってこう言った。
「軍隊を引き連れて、洞窟に攻め込んでも良いの?」
そんなことを言われたんじゃ、オイラはもうなにも言えなくなる。
うかつに洞窟の場所を教えてしまったことを後悔したが、今更どうにか出来るもんでもない。
その上、こんなことまで言われてた。
「ジョーイ、わかってる?
あなた達は勝手に私の国に住み着いて、税金も払ってないのよ。
だけど、私はそのことをお父様に告げ口もしていない。
それは、なぜだかわかる?
あなたが私の可愛い弟だからなのよ。
つまり、あなた達ゴブリンは、私のおかげで毎日平和に暮らせてるってことなの。
そのことがわかってるの?」
身をかがめ、人差し指を立てながら、オイラの顔の前に自分の顔を近付けて、姫様は何度もこの話をするんだ。
そんなことを言われたら、オイラはなにも言い返せなくなってしまう。
そして、また、姫様の命令通り、つまらない仕返しに加担してしまうんだ。
姫様は小さな頃からとても頭がよく、オイラの姿が他の人間に見えてない事もすぐに理解した。
だから、まわりに人がいる時には決してオイラと口をきかない。
素知らぬ顔をしていた。
小さな頃から、たいした役者だったんだ。
大人の前では自分の感情を絶対に出さず、姫様はとても良い子を演じていた。
だが、オイラの前では違う。
外で我慢してた分、その愚痴やヒステリーは酷いものだった。
そのうちに、姫様はオイラに仕返しをさせるようになった。
そのことにオイラが少しでも意見しようものなら、姫様は決まってこう言った。
「軍隊を引き連れて、洞窟に攻め込んでも良いの?」
そんなことを言われたんじゃ、オイラはもうなにも言えなくなる。
うかつに洞窟の場所を教えてしまったことを後悔したが、今更どうにか出来るもんでもない。
その上、こんなことまで言われてた。
「ジョーイ、わかってる?
あなた達は勝手に私の国に住み着いて、税金も払ってないのよ。
だけど、私はそのことをお父様に告げ口もしていない。
それは、なぜだかわかる?
あなたが私の可愛い弟だからなのよ。
つまり、あなた達ゴブリンは、私のおかげで毎日平和に暮らせてるってことなの。
そのことがわかってるの?」
身をかがめ、人差し指を立てながら、オイラの顔の前に自分の顔を近付けて、姫様は何度もこの話をするんだ。
そんなことを言われたら、オイラはなにも言い返せなくなってしまう。
そして、また、姫様の命令通り、つまらない仕返しに加担してしまうんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる