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雨宿り
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(雨は嫌いじゃない…
静かだし…
いやなことや悲しいことも綺麗に洗い流してくれるような気がするから…)
「雨って、いやなことや悲しいことも綺麗に洗い流してくれるような気がするんだよね…」
「えっ?!」
マーサの心の中の呟きをマイケルがそのまま言葉にしたようで、マーサは心臓が止まるほど驚いた。
「どうしたの?!」
「え……あぁ…なんでもないの。
ただ、あなたの方がすごいって…そう思っただけ。」
「……すごいって、何が?!」
「なんでもないわ。」
「なんだよ、気になるじゃない!
教えてよ!」
「教えない~~!!」
「マーサは意地悪だね!」
こんなやりとりを見たら、周りの人達は自分達のことをどう思うだろうか?
初対面の…しかも、ついさっき会ったばかりのマイケルと、こんなに心を開いて話せる事が、マーサ自身、不思議でならなかった。
「ねぇ…マーサ…
運命って信じる?」
「運命?」
「生まれる前から決められてたこと…」
「その運命がどうかしたの?」
「うん…なんか、マーサと出会えたのは運命みたいな気がするんだよね。」
「大袈裟ね!」
「大袈裟なんかじゃないよ!
君とはさっき会ったばかりなのに、まるで昔からの友達みたいに話せるんだもん。
僕、これでも、けっこう顔見知りする方なんだよ。」
「マイケルが人見知り…」
マーサは、堪えきれずに大きな声で笑った。
「酷いな、マーサ!
そんなに笑う事ないじゃないか。
でも…君の笑顔は可愛いね!」
「まぁ……!」
「マーサ…
この雨があがったら、どうするつもり?」
「どうするって…そりゃあもちろん帰るわよ。」
「もう~!!
ダメだよ、そんなの!」
マイケルは、子供のように唇を尖らせ、そう言った。
「え…?だって…」
「雨があがったら、一緒にどこかに遊びに行って、それから…」
「え?!」
「……マーサ。
いきなりこんなこと言って驚くかも知れないけど……僕と付き合ってくれない?」
「え?え?なんですって?
何言ってるの?マイケル…」
突然の告白に、マーサは目を丸くした。
「僕…一目で君のことが好きになったみたいなんだ。
さっきは友達って言ったけど…恋人じゃ、だめ?」
「えーーーーー?!
そんなこと、急に言われても…」
「だって、もしこれで最後になっちゃいやだもん。
それともマーサ…僕のことが嫌い?」
「き…嫌いじゃないわ…でも…」
「誰か、好きな人がいるの?」
「そんな人いないわ…」
静かだし…
いやなことや悲しいことも綺麗に洗い流してくれるような気がするから…)
「雨って、いやなことや悲しいことも綺麗に洗い流してくれるような気がするんだよね…」
「えっ?!」
マーサの心の中の呟きをマイケルがそのまま言葉にしたようで、マーサは心臓が止まるほど驚いた。
「どうしたの?!」
「え……あぁ…なんでもないの。
ただ、あなたの方がすごいって…そう思っただけ。」
「……すごいって、何が?!」
「なんでもないわ。」
「なんだよ、気になるじゃない!
教えてよ!」
「教えない~~!!」
「マーサは意地悪だね!」
こんなやりとりを見たら、周りの人達は自分達のことをどう思うだろうか?
初対面の…しかも、ついさっき会ったばかりのマイケルと、こんなに心を開いて話せる事が、マーサ自身、不思議でならなかった。
「ねぇ…マーサ…
運命って信じる?」
「運命?」
「生まれる前から決められてたこと…」
「その運命がどうかしたの?」
「うん…なんか、マーサと出会えたのは運命みたいな気がするんだよね。」
「大袈裟ね!」
「大袈裟なんかじゃないよ!
君とはさっき会ったばかりなのに、まるで昔からの友達みたいに話せるんだもん。
僕、これでも、けっこう顔見知りする方なんだよ。」
「マイケルが人見知り…」
マーサは、堪えきれずに大きな声で笑った。
「酷いな、マーサ!
そんなに笑う事ないじゃないか。
でも…君の笑顔は可愛いね!」
「まぁ……!」
「マーサ…
この雨があがったら、どうするつもり?」
「どうするって…そりゃあもちろん帰るわよ。」
「もう~!!
ダメだよ、そんなの!」
マイケルは、子供のように唇を尖らせ、そう言った。
「え…?だって…」
「雨があがったら、一緒にどこかに遊びに行って、それから…」
「え?!」
「……マーサ。
いきなりこんなこと言って驚くかも知れないけど……僕と付き合ってくれない?」
「え?え?なんですって?
何言ってるの?マイケル…」
突然の告白に、マーサは目を丸くした。
「僕…一目で君のことが好きになったみたいなんだ。
さっきは友達って言ったけど…恋人じゃ、だめ?」
「えーーーーー?!
そんなこと、急に言われても…」
「だって、もしこれで最後になっちゃいやだもん。
それともマーサ…僕のことが嫌い?」
「き…嫌いじゃないわ…でも…」
「誰か、好きな人がいるの?」
「そんな人いないわ…」
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