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十字架の楽園
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「ここは?」
「今、俺はここに住まわせてもらってるんだ。
腹が減っただろう?
すぐに食べるものを用意するから待っててくれ。」
ジョシュアはそう言って、家の中に入ると早速キッチンに向かった。
しばらくしてジョシュアはシチューのようなものを持って来てくれた。
あんなことがあったのだから、とても食事なんて食べられないと思っていたのに、意外な程、食べることが出来た。
傷の手当てもしてもらった。
ジョシュアは以前とは別人のように優しく、そのことが嬉しい反面、妙に不安でもあった。
彼の話によると、ある農場で荷馬車を貸してほしいと頼んだ所、見ず知らずの者に大切な荷馬車を貸すことは出来ないが、ここで一ヶ月間真面目に働いたら考えてやると言われたそうだ。
「一日でも早く助けに行きたかったんだけど、焦って失敗して捕まったりしたら、元も子もなくなっちまうからな…
だから、俺、とにかく死に物狂いで働いたんだ。
農場で働くなんて初めてだったから最初は大変だったけど、港の方では俺も評判が悪くて仕事もほとんどなかったしちょうど良かったよ。
ここの親父さんがまた良い人でな…
俺のことを息子みたいに可愛がってくれて…ここもただで貸してもらってるんだ。」
「そうだったの…
私のためにいろいろと苦労させてごめんなさい…」
「そうじゃないだろ。
元はといえば、俺が悪かったんだ。
俺が間違ってたんだ。
おまえが、酒場で楽しそうに働いてるのを見てたら、なんだか無性に腹が立った。
おまえの世話になってることにも引け目があった。
それに、おまえがいつか俺を置いて遠くに行ってしまいそうな気もして、それも怖くて…いろんなことがぐちゃぐちゃになっておまえにあたり散らかすようになってたんだと思う…
本当にすまなかった…」
そんなことを言われるとは思ってもみなかったので、私は面食らってしまった。
「違うわ。ジョシュアが悪いんじゃない。
私が…」
「リリィ、もう良い。
今夜はゆっくり休め…
これからのことはまたゆっくり考えよう、な。」
そう言って、ジョシュアはランプの灯かりを消した。
いろんなことがありすぎた一日がやっと終わったのだ…
「今、俺はここに住まわせてもらってるんだ。
腹が減っただろう?
すぐに食べるものを用意するから待っててくれ。」
ジョシュアはそう言って、家の中に入ると早速キッチンに向かった。
しばらくしてジョシュアはシチューのようなものを持って来てくれた。
あんなことがあったのだから、とても食事なんて食べられないと思っていたのに、意外な程、食べることが出来た。
傷の手当てもしてもらった。
ジョシュアは以前とは別人のように優しく、そのことが嬉しい反面、妙に不安でもあった。
彼の話によると、ある農場で荷馬車を貸してほしいと頼んだ所、見ず知らずの者に大切な荷馬車を貸すことは出来ないが、ここで一ヶ月間真面目に働いたら考えてやると言われたそうだ。
「一日でも早く助けに行きたかったんだけど、焦って失敗して捕まったりしたら、元も子もなくなっちまうからな…
だから、俺、とにかく死に物狂いで働いたんだ。
農場で働くなんて初めてだったから最初は大変だったけど、港の方では俺も評判が悪くて仕事もほとんどなかったしちょうど良かったよ。
ここの親父さんがまた良い人でな…
俺のことを息子みたいに可愛がってくれて…ここもただで貸してもらってるんだ。」
「そうだったの…
私のためにいろいろと苦労させてごめんなさい…」
「そうじゃないだろ。
元はといえば、俺が悪かったんだ。
俺が間違ってたんだ。
おまえが、酒場で楽しそうに働いてるのを見てたら、なんだか無性に腹が立った。
おまえの世話になってることにも引け目があった。
それに、おまえがいつか俺を置いて遠くに行ってしまいそうな気もして、それも怖くて…いろんなことがぐちゃぐちゃになっておまえにあたり散らかすようになってたんだと思う…
本当にすまなかった…」
そんなことを言われるとは思ってもみなかったので、私は面食らってしまった。
「違うわ。ジョシュアが悪いんじゃない。
私が…」
「リリィ、もう良い。
今夜はゆっくり休め…
これからのことはまたゆっくり考えよう、な。」
そう言って、ジョシュアはランプの灯かりを消した。
いろんなことがありすぎた一日がやっと終わったのだ…
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