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贈り物配達うさぎ
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「それはわしにもまだわからん。
ただ、おまえさんはこれから100の配達をこなさねばならん。
大切な贈り物じゃから、間違えんようにちゃんと配達するのじゃぞ。」
「100も配達を…!?
だ、だけど…どうやって…」
ラパンは心細げな小さな声で、老人に訊ねる。
「今、説明する所じゃ。
良いか、うさ公。
さっきも言うた通り、おまえさんは、贈り物を配達するのが仕事じゃ。
配達先へはその帽子の道を通って行くのじゃ。
それはずっと遠い世界…世界中を旅したおまえさんが今まで行ったことのない不思議な世界に行く事になるじゃろう。
すなわち…うさぎの世界の外へ行くんじゃ。」
「う、嘘だっ!
うさぎの世界の外なんて誰も行けない!
そ、それに、他の世界はとても怖い所だって…」
ラパンは酷く興奮した口調でそう言った。
「大丈夫じゃ。
確かに外には恐ろしい所もたくさんあるが、おまえはそんな恐ろしい所には行く事はないじゃろう。
それと、贈り物を受け取る相手以外には、おまえさんはごく普通の人間の子供に見えるから、おまえが行ってもそう大騒ぎもされないはずじゃ。
それから、仕事をしてもらうからには報酬をやらねばならんが、おまえは今まで仕事の一つもしたことのない見習い中の見習いのような未熟者じゃ。
じゃから、贈り物を受け取る相手にその世界を案内してもらうことを報酬としよう。
おまえは物には飽き飽きしているようじゃからな。
……どうじゃ?けっこう面白そうな仕事だと思わんか?
誰も行ったことのない世界を、おまえは見て回れるんじゃからな。」
「……誰も行ったことのない世界…」
ラパンはまだ見ぬ不思議な世界を想像し、真っ赤な瞳は宙をぼんやりとさ迷う。
ただ、おまえさんはこれから100の配達をこなさねばならん。
大切な贈り物じゃから、間違えんようにちゃんと配達するのじゃぞ。」
「100も配達を…!?
だ、だけど…どうやって…」
ラパンは心細げな小さな声で、老人に訊ねる。
「今、説明する所じゃ。
良いか、うさ公。
さっきも言うた通り、おまえさんは、贈り物を配達するのが仕事じゃ。
配達先へはその帽子の道を通って行くのじゃ。
それはずっと遠い世界…世界中を旅したおまえさんが今まで行ったことのない不思議な世界に行く事になるじゃろう。
すなわち…うさぎの世界の外へ行くんじゃ。」
「う、嘘だっ!
うさぎの世界の外なんて誰も行けない!
そ、それに、他の世界はとても怖い所だって…」
ラパンは酷く興奮した口調でそう言った。
「大丈夫じゃ。
確かに外には恐ろしい所もたくさんあるが、おまえはそんな恐ろしい所には行く事はないじゃろう。
それと、贈り物を受け取る相手以外には、おまえさんはごく普通の人間の子供に見えるから、おまえが行ってもそう大騒ぎもされないはずじゃ。
それから、仕事をしてもらうからには報酬をやらねばならんが、おまえは今まで仕事の一つもしたことのない見習い中の見習いのような未熟者じゃ。
じゃから、贈り物を受け取る相手にその世界を案内してもらうことを報酬としよう。
おまえは物には飽き飽きしているようじゃからな。
……どうじゃ?けっこう面白そうな仕事だと思わんか?
誰も行ったことのない世界を、おまえは見て回れるんじゃからな。」
「……誰も行ったことのない世界…」
ラパンはまだ見ぬ不思議な世界を想像し、真っ赤な瞳は宙をぼんやりとさ迷う。
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