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年明け島にようこそ!

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「ミカエル!
無事だったんだね!」

近くの町のレストランで祝杯を上げるミカエルは、急に目の前に現れたカパエルに驚き、飲んでいたワインを噴き出した。



「カ、カ、カパエル!
お、おまえ、ど、ど、どうしてここへ!?」

ミカエルはカパエルの出現に動揺を隠せず、その瞳は大きく見開かれた。



「アホズラさんが運んでくれたの。
君がみつからなかったから、僕、心配してたんだよ!」

「あ…あぁ、おまえらしき者が他の者の船で帰ったって聞いたから、俺は安心して帰って来たんだ。
でもいないからどうしたんだろうって、俺も心配して探してたんだぜ。」

ミカエルは咄嗟に調子の良い嘘でカパエルを言いくるめる。



「そうだったの。
心配かけてごめんね。」

「い、いや、気にするな。
きっと、船で帰ったのは他の奴のことだったんだな。
おまえはどこにでもいるタイプだから他の誰かと間違えたんだな。
とにかく、おまえが無事で良かった。
おまえさえ無事なら、俺はもう何も言うことはない。
あぁ、良かった、良かった。
さ、おまえも座れ。腹が減っただろう?」

ミカエルは、悔しさで煮え繰り返る気持ちを押さえ、カパエルの肩を親しげに叩いて席に誘う。



「ありがとう。
ミカエルは本当にいつも優しいね。」

しばらくして運ばれて来た料理を頬張るカパエルの前で、ミカエルはワインをあおるように飲んでいた。



(畜生!なんで、こいつが戻ってきやがるんだ?
一体、誰なんだ、余計なことをしたアホズラって奴は…!、
ムカツクったらないぜ!
こいつと別れたら、夜の町に繰り出して朝まで大暴れてやる!)

アンジェリーナが手に入ると思っていたミカエルの企みは、水泡に帰した。



「あ……」



そんなことには全く気付くこともなく無心に食事を採っていたカパエルの手が不意に停まり、その顔がぱっと明るく輝いた。
カパエルの視線の先には、窓の外から店の中をのぞきこむ黄色いものの目から上が映っていた。
やけにぐらぐらしてるのは、きっと背伸びをしているせいだと思われる。



「黄色いいたちさん!」

カパエルはそう叫ぶと、黄色いいたちではないものを迎えに立ち上がった。



~Fin~ 
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