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年明け島にようこそ!
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「パ、パワースポットへはすぐに連れていってやるから、もう少しだけ待ってろ。
ほら、あそこに木の実がなってるぞ。
それでも食って待ってろ。」
「えぇぇ~~……」
不満げな声を漏らしながらもカパエルは渋々木の実の方へ向かって行った。
カパエルを追い払い、ミカエルは再び双眼鏡をのぞきこむ。
(それにしても、あいつは一体何なんだ!?)
ミカエルが首を傾げたのは、森の中の一際高い木の上で、気持ち良さそうにまどろむ青年の姿だった。
青く長い髪をそよがせ、ふわりと風のように空を浮遊するその青年は、どう見ても懸命に宝を探しているようには見えず、ただ自由に遊んでいるようで、時折木の枝や高台に停まってはぼんやりと景色を眺めたり、時には居眠りをしている。
そもそも、あんな風に浮くことが不自然だ。
(馬鹿野郎!そんな所で居眠りなんかせずに、さっさとお宝を探しやがれ!
全く、使えない奴だなっ!)
ミカエルは、腹立たしげに足元の地面を踏み付けた。
そんなミカエルの気持ちを知る筈もなく、青い髪の青年はこっくりこっくりと船を漕ぐ。
(役に立たない奴はさっさと落っこちちまえ!
本当にどいつもこいつも……
他にはもういないのか?……ん?)
ミカエルの目の端をなにか黄色いものがかすめた。
双眼鏡をはずし、目を凝らすがなにも見えない。
気のせいだったかと、ミカエルがまた双眼鏡を手にあちらこちらを見ていると、ふとした瞬間に黄色い物がちらちらと動くのを感じながら、やはりその姿をしっかりと捉えることは出来なかった。
(なんだ?今のは…?)
「ミカエルーー!
まだ~?」
ミカエルの物思いを破るように、カパエルの大きな声が上がった。
「あぁ、わかった、わかった。
今連れて行ってやるよ。」
(悪く思うなよ、カパエル。
これからは俺がアンジェリーナを可愛がってやるからな。
ま、その方がアンジェリーナにとっても幸せってもんだ。)
黒い微笑を浮かべたミカエルは、何も知らないカパエルの傍にゆっくりと歩み寄る。
ほら、あそこに木の実がなってるぞ。
それでも食って待ってろ。」
「えぇぇ~~……」
不満げな声を漏らしながらもカパエルは渋々木の実の方へ向かって行った。
カパエルを追い払い、ミカエルは再び双眼鏡をのぞきこむ。
(それにしても、あいつは一体何なんだ!?)
ミカエルが首を傾げたのは、森の中の一際高い木の上で、気持ち良さそうにまどろむ青年の姿だった。
青く長い髪をそよがせ、ふわりと風のように空を浮遊するその青年は、どう見ても懸命に宝を探しているようには見えず、ただ自由に遊んでいるようで、時折木の枝や高台に停まってはぼんやりと景色を眺めたり、時には居眠りをしている。
そもそも、あんな風に浮くことが不自然だ。
(馬鹿野郎!そんな所で居眠りなんかせずに、さっさとお宝を探しやがれ!
全く、使えない奴だなっ!)
ミカエルは、腹立たしげに足元の地面を踏み付けた。
そんなミカエルの気持ちを知る筈もなく、青い髪の青年はこっくりこっくりと船を漕ぐ。
(役に立たない奴はさっさと落っこちちまえ!
本当にどいつもこいつも……
他にはもういないのか?……ん?)
ミカエルの目の端をなにか黄色いものがかすめた。
双眼鏡をはずし、目を凝らすがなにも見えない。
気のせいだったかと、ミカエルがまた双眼鏡を手にあちらこちらを見ていると、ふとした瞬間に黄色い物がちらちらと動くのを感じながら、やはりその姿をしっかりと捉えることは出来なかった。
(なんだ?今のは…?)
「ミカエルーー!
まだ~?」
ミカエルの物思いを破るように、カパエルの大きな声が上がった。
「あぁ、わかった、わかった。
今連れて行ってやるよ。」
(悪く思うなよ、カパエル。
これからは俺がアンジェリーナを可愛がってやるからな。
ま、その方がアンジェリーナにとっても幸せってもんだ。)
黒い微笑を浮かべたミカエルは、何も知らないカパエルの傍にゆっくりと歩み寄る。
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