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聖夜の鐘
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「……レイラ…寒いかもしれないけど、今夜は外で過ごさない?
せっかくのクリスマスイヴだもの…」
エディの言葉に、レイラは一瞬戸惑ったような表情を浮かべたかと思うと、すぐにおかしそうに微笑んだ。
「どうしてクリスマスイヴだと外なの?変なこと言うのね。
でも……私もその方が良いわ。
今日は町は人でいっぱいでしょうからね。
騒がしい所より、静かな所で過ごしたいと思ってたの。
……エディ……実は、私…あの鐘を鳴らしに行きたいの。」
「あの鐘……」
エディの視線は、遠い昔の何かを思い出すように宙をさ迷う。
「忘れちゃったの?」
「……馬鹿だな。
忘れるわけないだろ。」
不安そうな顔を向けたレイラに、エディは優しく微笑んだ。
「良かった!!……私、今日、あなたと出会えたら、どうしてもあの鐘を鳴らしたかったの。」
レイラの顔に輝くような笑顔が宿る。
*
*
*
「レイラ、僕、待ってるからね。」
「……そんなこと言って…
あなたは、その頃にはあなたは私のことなんて忘れてるに決まってるわ。
絶対そうよ!」
「……そりゃあ、十年も先のことなんて誰にもわからない。
大人達が言うように、お互い他の人を好きになってるかもしれない。
でも……僕はきっと行くと思うよ。
それに、君だってきっと来てくれる…僕はそう信じてる。」
その時、発車を知らせるベルの音がホームにけたたましく響き渡った。
「待ってるよ、レイラ!
絶対に…!」
「エディ…!」
列車の窓から身を乗り出すようにして、大きく手を振るエディは晴れ晴れしい顔をしていた。
(エディの馬鹿…
あなたは寂しくないの?辛くないの?
遠く離れ離れになるっていうのに、どうしてそんな平気な顔してられるの…!?)
悔しさと悲しさで、レイラの瞳からは熱い涙がこぼれ落ちた。
せっかくのクリスマスイヴだもの…」
エディの言葉に、レイラは一瞬戸惑ったような表情を浮かべたかと思うと、すぐにおかしそうに微笑んだ。
「どうしてクリスマスイヴだと外なの?変なこと言うのね。
でも……私もその方が良いわ。
今日は町は人でいっぱいでしょうからね。
騒がしい所より、静かな所で過ごしたいと思ってたの。
……エディ……実は、私…あの鐘を鳴らしに行きたいの。」
「あの鐘……」
エディの視線は、遠い昔の何かを思い出すように宙をさ迷う。
「忘れちゃったの?」
「……馬鹿だな。
忘れるわけないだろ。」
不安そうな顔を向けたレイラに、エディは優しく微笑んだ。
「良かった!!……私、今日、あなたと出会えたら、どうしてもあの鐘を鳴らしたかったの。」
レイラの顔に輝くような笑顔が宿る。
*
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*
「レイラ、僕、待ってるからね。」
「……そんなこと言って…
あなたは、その頃にはあなたは私のことなんて忘れてるに決まってるわ。
絶対そうよ!」
「……そりゃあ、十年も先のことなんて誰にもわからない。
大人達が言うように、お互い他の人を好きになってるかもしれない。
でも……僕はきっと行くと思うよ。
それに、君だってきっと来てくれる…僕はそう信じてる。」
その時、発車を知らせるベルの音がホームにけたたましく響き渡った。
「待ってるよ、レイラ!
絶対に…!」
「エディ…!」
列車の窓から身を乗り出すようにして、大きく手を振るエディは晴れ晴れしい顔をしていた。
(エディの馬鹿…
あなたは寂しくないの?辛くないの?
遠く離れ離れになるっていうのに、どうしてそんな平気な顔してられるの…!?)
悔しさと悲しさで、レイラの瞳からは熱い涙がこぼれ落ちた。
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