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side カンナ
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「あの…アルバートさんは、何を祈られたんですか?」
アルバートさんは、それには答えず、ただ曖昧に微笑むだけだった。
そうだよね…願い事は普通話さないよね。
何なんだろう?アルバートさんが祈ること…
まさか、早く結婚したいとかじゃないよね。
うん、アルバートさんはそういう願いはしないと思う。
そうだなぁ…オルリアンの国の平和とか…オルリアンの国民の幸せとか…?
多分、そんなとこじゃないかな?
「アルバートさんの願い…きっと、叶いますよ。」
「……そうだな。私もそう信じたい。」
そう言って、アルバートさんは私をみつめて微笑んだ。
その眼差しが、何とも言えずあたたかくて…
私は、照れくさくなって思わず俯いてしまった。
なに照れてるんだろう、馬鹿みたい。
アルバートさんは、私のことを弟みたいに思ってるだけなのに…
まるで、恋人にでもみつめられたみたいな気分になって…
いつか、本当は女だって打ち明けられるのかな?
そのことを知ったら、アルバートさんはどうするかな?
騙してたって、怒る?
ううん、アルバートさんはそんなことじゃ、きっと怒らない。
多分、ほんのちょっと驚くだけ…それだけのこと。
そう思ったら、なんだかちょっと寂しくなった。
アルバートさんは、それには答えず、ただ曖昧に微笑むだけだった。
そうだよね…願い事は普通話さないよね。
何なんだろう?アルバートさんが祈ること…
まさか、早く結婚したいとかじゃないよね。
うん、アルバートさんはそういう願いはしないと思う。
そうだなぁ…オルリアンの国の平和とか…オルリアンの国民の幸せとか…?
多分、そんなとこじゃないかな?
「アルバートさんの願い…きっと、叶いますよ。」
「……そうだな。私もそう信じたい。」
そう言って、アルバートさんは私をみつめて微笑んだ。
その眼差しが、何とも言えずあたたかくて…
私は、照れくさくなって思わず俯いてしまった。
なに照れてるんだろう、馬鹿みたい。
アルバートさんは、私のことを弟みたいに思ってるだけなのに…
まるで、恋人にでもみつめられたみたいな気分になって…
いつか、本当は女だって打ち明けられるのかな?
そのことを知ったら、アルバートさんはどうするかな?
騙してたって、怒る?
ううん、アルバートさんはそんなことじゃ、きっと怒らない。
多分、ほんのちょっと驚くだけ…それだけのこと。
そう思ったら、なんだかちょっと寂しくなった。
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