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side カンナ

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私の歌が、少しでもおばあさんの苦しい心を癒してくれたら…
アルバートさんの疲れが、わずかでもマシになったら…
そう思って、心を込めて歌ったよ。



 「ありがとう、カンナ…
元気が出たよ。」



アルバートさんの言葉と笑顔に、私の方こそ癒された。
そして、ついに私達は入り口まで戻って来て…



(え??)



 外はもう薄暗くなっていた。
まだ朝のうちに出て来たのに、マジ…??



 (えっ??)



さらに驚いたのは、数人の人達が拍手で迎えてくれたこと。
そっか…アルバートさんがおばあさんを頂上まで連れて行ったことを知ってるんだね。
 私は何もしてないけど、なんだかとても誇らしい気分だ。



 気持ちは清々しかったけど、からだのあちこちが軋んでいた。
なんだかうまく動かせない。
 油の切れた機械にでもなった気分だ。
そしたら、今度はいきなりとんでもなく大きな音がお腹から鳴って…
もうっ!なんてこと?
アルバートさんが笑ってる。



そういえば、今日は宿を出て来る時に食べたっきりだ。
お腹がすくのも当然でしょう。
それなのに、笑うなんて酷い!
 私は、アルバートさんを睨んだ。



 「さぁ、今夜はなにかうまいものを食べよう。」

アルバートさんは、そう言って私の背中を叩いた。
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