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side カンナ

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 「どうもありがとうございます。本当にありがとうございます。」

ついに頂上に着いた。
 汗が噴き出て、なんだか足ががくがくしてる。
 中は薄暗くて、隅っこに横になってる人がふたりいた。
おばあさんは、アルバートさんの足元に平伏して、涙を流しながらお礼を述べる。



 「やめてください。さぁ、顔をあげて…」

アルバートさんはおばあさんに手を貸した。



 「どちらのお方かわかりませんが、せめてお名前だけでも教えて下さい。」

 「私は…アルバートと申します。」

 「アルバート様……」

 「そんなことより、早くハヴェル様にお祈りを…」

アルバートさんは、階段とは違う方におばあさんを連れて行った。



 「あっ!」

そこにあったのは、見上げるような大きな石像。
とても優しい顔をした女神様の像だ。
そっか、ハヴェル様っていうのは女神様だったんだね。



 「ハヴェル様……」

おばあさんは、女神像の前に座り込み、両手を組んで一心に祈りを捧げた。
アルバートさんはその後ろで、目を閉じ、同じように両手を組んでなにかを祈っていた。
 私もアルバートさんの傍に立って、両手を組んだ。



 『どうか……アルバートさんが幸せになれますように…!』



 気が付いたら、私はそんなことを祈ってた。
だって…アルバートさんは、あんなに優しくて良い人なんだもん。
 幸せになってほしいよ。



 元の世界には自力で帰るから良いんだ。
だから、どうか…どうか、アルバートさんが幸せになれますように…
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