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side カンナ
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「あ、あの…出来の悪い弟ですみません!」
「何を言う。
出来の悪い者の方が、教え甲斐があるってものだぞ。」
(……え!?)
「なんて顔をしてるんだ。冗談に決まっているだろう。
君はとても良くやってるよ。」
アルバートさんは、笑いの発作で肩を震わせる。
え?私、そんなに変な顔してた??
それにしても、『良くやってる』だなんて、ちょっと嬉しいな。
「アルバートさん…馬だけじゃなく、これからももっといろいろなことを教えて下さい。」
「あぁ、もちろんだ。」
「ありがとうございます!」
なんだかテンションがあがって、私はそんなことを口にしていた。
「カンナ…以前、見せてくれた…ほら、あの歌と踊りをまた見せてくれないか?」
「はい!」
そんなことならお安い御用だ。
ちょうどテンションも上がってたし、私は戸惑うことなく立ち上がった。
今の喜びをダンスで表現する。
ダンスは、それほど得意ってわけでもなかったけど、踊るのは昔から好きだった。
飛んだり跳ねたりしているうちに、どんどん楽しくなって来る。
「僕の大切なお兄様~
優しくて、なんでも出来る素敵なお兄様~」
調子に乗って、私は即興の歌を歌った。
かなりつまらない歌詞になってしまったけど、アルバートさんはにこにこしながら聞いていてくれた。
「何を言う。
出来の悪い者の方が、教え甲斐があるってものだぞ。」
(……え!?)
「なんて顔をしてるんだ。冗談に決まっているだろう。
君はとても良くやってるよ。」
アルバートさんは、笑いの発作で肩を震わせる。
え?私、そんなに変な顔してた??
それにしても、『良くやってる』だなんて、ちょっと嬉しいな。
「アルバートさん…馬だけじゃなく、これからももっといろいろなことを教えて下さい。」
「あぁ、もちろんだ。」
「ありがとうございます!」
なんだかテンションがあがって、私はそんなことを口にしていた。
「カンナ…以前、見せてくれた…ほら、あの歌と踊りをまた見せてくれないか?」
「はい!」
そんなことならお安い御用だ。
ちょうどテンションも上がってたし、私は戸惑うことなく立ち上がった。
今の喜びをダンスで表現する。
ダンスは、それほど得意ってわけでもなかったけど、踊るのは昔から好きだった。
飛んだり跳ねたりしているうちに、どんどん楽しくなって来る。
「僕の大切なお兄様~
優しくて、なんでも出来る素敵なお兄様~」
調子に乗って、私は即興の歌を歌った。
かなりつまらない歌詞になってしまったけど、アルバートさんはにこにこしながら聞いていてくれた。
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