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side カンナ

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「……大丈夫か?」

 「は、はい。」

いや、本当は大丈夫じゃなかった。
いろんなところが痛くてたまらなかったし、馬に乗ってる間も怖くて、生きた心地がしなかった。
だって、扉も囲いも何もなくて、私の筋力だけが頼りなんだよ。
ちょっとでも気を緩めたら、振り落とされてしまう。
 馬のスピードはけっこう速いから、落ちたら死んでしまうかもしれないんだから。
 本当にめちゃくちゃ怖かった。



 「あと少しだからな。」

 「はい。」

えーっ!まだ着かないの?
 怖いんですけど…
でも、そんなことは言えないし、私は曖昧に笑って誤魔化した。



 馬に水を飲ませて、一休みしてから、私達はまた馬に乗り込んだ。
ふと気付くと、あたりがだんだん暗くなって来ていた。
 似たような景色ばかりだし、そもそも周りを見るゆとりもあんまりないからよくわからないけど、これだけ時間が経ってるんだから、もうだいぶ近くに来ているはずだ。



 私の勘は当たっていた。
しばらくすると、木々の間からお城が見えた。
 道が入り組んでいるせいか、馬のスピードがだいぶ緩やかになった。
なんだか、気持ちがほっとする。



 (あと少しだ!頑張れ!)



 私は自分にそう言い聞かせ、アルバートさんの背中に貼りついていた。
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