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side カンナ

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 「どうぞ、お気を付けて。」

 「ありがとう。」

 旧オルリアン城には、二日後、出発することになった。
 割と年配の学者さんがふたりと、若い学者さんがひとり。
そして、私とネイサンさんとアルバートさんと、オスカーさん。



 私はてっきり歩いて行くんだろうと思ってたけど、連れて行かれた場所には馬がいた。
みんなは、ごく自然に馬の背中に乗って行く。



え?私…馬に乗ったことなんてないよ!?
 旅行先でらくだの背中には乗ったことがあるけど、馬は一度もないんですけど~



 「……カンナ、どうした?」

 「ぼ、僕…馬に乗ったことが…じゃなくて、乗り方を忘れていて……」

 「カンナ、私の後ろに乗れ。」

 「いや、私が連れて行こう。
カンナを私の後ろに乗せてやってくれ。」

 馬の世話をしているおじさんが、私をアルバートさんの後ろに乗せてくれた。
 急に視線が高くなって、なんだか怖い。



 「カンナ、体を密着させ、私の腰に腕を回すのだ。
 足もしっかりと馬の背を挟むようにな。」

え…アルバートさんに密着…?
なんだか恥ずかしい。
でも、言われた通りに、そっと腕を回して…



「もっとしっかり。
そうでないと、振り落とされてしまうぞ。」

 「は、はい。」

 落ちたら大変だ。
 言われた通り、アルバートさんの体にしっかりとしがみついた。



 (わっ!)



 馬が動き出すと、怖くて自然に力が入る。
もう恥ずかしいとかなんとか考えているゆとりもなくなり、私は、アルバートさんの背中にしがみついていた。
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