149 / 351
side ジョシュア
2
しおりを挟む
それにしても、今でも信じられない。
アンジェラが、本当に王妃になるなんて…
俺は、てっきりアンジェラの頭がいかれたんだと思っていた。
そうとでも考えないと、とてもじゃないけど信じられなかったからだ。
しかし、慌ただしく準備は整い、アンジェラが本当にこの国の王妃になるんだと知ったのは、婚礼の儀の前日だった。
ライアンからそのことを聞いた時は夢かと思い、思わず、自分の頬をつねった程だった。
その晩、アンジェラが俺の部屋にやって来た。
「アンジェラ…あんた、本当に王妃になるのか?」
「そうよ。言ったでしょ?
まさか、信じてなかったの?」
「で、でも…腹の子は……」
アンジェラはただおかしそうにくすくすと笑うだけだった。
そして、その日に城を抜け出すようにと、船券と路銀をくれて、手筈を俺に伝えたんだ。
当日になるまで、そんなにうまくいくとは思ってもみなかった。
だが、蓋を開けてみたら、嘘みたいに順調に進んで…
今、俺はこうして外にいる。
護衛も見張りも、俺の傍には誰一人としていない。
(最高の気分だ…!)
だが、浮かれてはいられない。
あと数日…この数日間はなんとしても、逃げ切らなくてはいけない!
アンジェラが、本当に王妃になるなんて…
俺は、てっきりアンジェラの頭がいかれたんだと思っていた。
そうとでも考えないと、とてもじゃないけど信じられなかったからだ。
しかし、慌ただしく準備は整い、アンジェラが本当にこの国の王妃になるんだと知ったのは、婚礼の儀の前日だった。
ライアンからそのことを聞いた時は夢かと思い、思わず、自分の頬をつねった程だった。
その晩、アンジェラが俺の部屋にやって来た。
「アンジェラ…あんた、本当に王妃になるのか?」
「そうよ。言ったでしょ?
まさか、信じてなかったの?」
「で、でも…腹の子は……」
アンジェラはただおかしそうにくすくすと笑うだけだった。
そして、その日に城を抜け出すようにと、船券と路銀をくれて、手筈を俺に伝えたんだ。
当日になるまで、そんなにうまくいくとは思ってもみなかった。
だが、蓋を開けてみたら、嘘みたいに順調に進んで…
今、俺はこうして外にいる。
護衛も見張りも、俺の傍には誰一人としていない。
(最高の気分だ…!)
だが、浮かれてはいられない。
あと数日…この数日間はなんとしても、逃げ切らなくてはいけない!
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる