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side カンナ

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 (あぁ、お腹減った…
何か買いに行かなきゃ。)



この部屋には時計らしきものがない。
だから、時を知るのは、太陽の傾きとお腹の減り具合。
あと、一日に何度か、ベルが鳴る。
あれはきっと時報みたいなものだと思うんだ。



ここでは、パジャマもないし、服はほぼ着たきりすずめで、男装してるからメイクもしないから出掛けるのは楽ちんだけど…
なんか、最初は抵抗のあったすっぴんもまったく気にならなくなってしまったし、今の私は女子力ゼロだね。



 「ふわぁぁ~~~」



 大きく伸びをして、思いっきりあくびをした時、ドアをノックする音が聞こえた。
 誰だろう?
 今までお客さんなんて、誰も来なかったのに…



「……どなた…ですか?」

ドアの前で、身構えながら、私は恐る恐る声を掛けた。



 「私だ、開けてくれ!」



 (……えっ!?)



 鼓動が急に速くなる。
ドアの向こうから聞こえるその声は、聞き慣れたもので…
私は、慌てて鍵を開けた。



 「……ただいま。」

そこに立っていたのは、やっぱり私が予想した人…そう、優しく微笑むネイサンさん…



「お、おかえり…なさ……」

 私は感極まって、ネイサンさんに抱き着いたまま、子供のようにわんわん泣いてしまった。

 
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