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side アルバート
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「アルバート様!わかりました!」
湖の傍に着き、その近くの町で話を聞き込んだところ、ついに王族の別荘らしきものがある場所を特定した。
「明日、早速、見に行ってみよう!」
*
次の朝…まだ夜が明けきらないうちに宿を出て、私達は情報の場所を探しに向かった。
「あ!あれではありませんか!?」
イズルが指さした森の先には、確かに立派な建物の一部が見えた。
「アルバート様、私が道に迷ったふりをして、少し聞き込んで参りますので、こちらでお待ち下さい。」
「わかった。では、ネイサン…頼んだぞ。」
「はい、行って参ります。」
馬を降りたネイサンは、建物の方へ歩いて行った。
私達は、少し離れた森の木陰で、ネイサンが戻るのを待つ。
「アルバート様、確かにこの立地は、王族の別荘には持って来いですね。
ネイサンの勘を信じて正解だったかもしれませんね。」
「そうだと良いのだが……」
私の心の奥底には、みつからないでほしいという想いもあったのかもしれない。
もしも、みつからなければ、私は手を汚さずに済む。
ただエドワード王に利用される罪なき者を葬ることは、正直言って、とても気が重いのだ。
(何を気弱なことを…私は、オルリアンの王子として、ファーリンドを守るため、やらねばならないのだ!)
私は、心の中でそう叫んだ。
湖の傍に着き、その近くの町で話を聞き込んだところ、ついに王族の別荘らしきものがある場所を特定した。
「明日、早速、見に行ってみよう!」
*
次の朝…まだ夜が明けきらないうちに宿を出て、私達は情報の場所を探しに向かった。
「あ!あれではありませんか!?」
イズルが指さした森の先には、確かに立派な建物の一部が見えた。
「アルバート様、私が道に迷ったふりをして、少し聞き込んで参りますので、こちらでお待ち下さい。」
「わかった。では、ネイサン…頼んだぞ。」
「はい、行って参ります。」
馬を降りたネイサンは、建物の方へ歩いて行った。
私達は、少し離れた森の木陰で、ネイサンが戻るのを待つ。
「アルバート様、確かにこの立地は、王族の別荘には持って来いですね。
ネイサンの勘を信じて正解だったかもしれませんね。」
「そうだと良いのだが……」
私の心の奥底には、みつからないでほしいという想いもあったのかもしれない。
もしも、みつからなければ、私は手を汚さずに済む。
ただエドワード王に利用される罪なき者を葬ることは、正直言って、とても気が重いのだ。
(何を気弱なことを…私は、オルリアンの王子として、ファーリンドを守るため、やらねばならないのだ!)
私は、心の中でそう叫んだ。
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