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side カンナ

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「カンナ…どうした?泣いているのか?」

 「す、すみません…」

 「どうしたのだ?
 何がそんなに気に障った?」

そんなこと、答えられるはずがない。
 言ってもアルバートさんは信じないだろうし。



あぁ、死って残酷だね。
 人間はこんな風にたくさんの悔いを残して死んでしまうのかな?



 「カンナ…」

 (あ……)



アルバートさんの手が私の手を握り締めた。
 温かい……
私はその手を握り返した。



アルバートさん…辛いだろうけど、辛いのはあなただけじゃない。
 私も、ネイサンさんもオスカーさんも…それにこの船に乗ってる人たちもみんな現実を知ったら、辛くてたまらないと思う。
でも、これも運命なんだよ。



アルバートさんの待つ運命の人に会えなかったのも、それもまた運命。
 残酷な運命なんだ。
 諦めるしかない。
 運命を変えることなんて誰にも出来ないんだから。



 「アルバートさん…僕、どんな時でもあなたの傍にいますから。」

 「……ありがとう、カンナ。」



モルドに着いたら、いやでもアルバートさんは現実を知ることになるだろう。
あと少し…
その時、私はアルバートさんの支えになるよ。
どこまでフォロー出来るかはわからないけど…アルバートさんを支えてあげたい!
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