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side カンナ

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(……どうして?)



 大きな期待を込めて扉を開いたのに…何も起こらない。
おかしいじゃない。
 扉を開いたら、私は病院のベッドの上で意識を回復するんじゃなかったの?



 扉の外は、庭みたいな感じで…
だけど、手入れは全くされてなくて、雑草が鬱蒼と茂ってる。
しかも、庭はかなり広い。



せっかく暗い所から解放されたのだから、私はどこに続いてるかもわからない庭をやみくもに歩いた。



 「……あ!」



ふと、振り向いた時に、建物のシルエットが目に入った。
それは、どこかで見たような…
そう…屋敷だと思ってたけど、それはお城だった。
お城とはいっても日本のお城じゃない。
 西洋のお城だ。



どうして?
 私、一体、いつの間にこんな所に来たの?
って、そんなことありえない。
 外国に行くには何時間もかかるし、いろんな手続きもある。
だけど、そんなことをした記憶はない。



 (……ってことは……)



 怖ろしい想像に、すーっと、血の気が引いていくのを感じた。
 私は、やっぱり、今、死にかけているのかもしれない。
 思ってたよりも、かなり悪い状況で…
もしかしたら、私の魂はパパの故郷に飛んで行ったのかもしれない。
だって、私が行ったことのある外国は、パパの故郷だけだもん。



 (私…もう助からないの??)



そう思ったら、たとえようのない不安に襲われ、私はその場にへなへなと膝を着いた。

 
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