28 / 351
side カンナ
4
しおりを挟む
もうずいぶん長い間、暗闇のなかにいるけれど…
目は全く闇に慣れない。
まさか、視力を失ったんじゃないかって思うくらい、真っ暗だ。
階段を上り切り、扉をみつけたけれどその扉がなかなか開かなくて…
今度は閂もかかってなかった。
なのに、開かない。
私は、半ばパニック状態で、声を上げ泣きながら、何度も扉を揺さぶったり叩いたりした。
ここで諦めるわけにはいかない。
私はまだ死ねないんだから…!
心の中で何度もそう言い聞かせながら、しつこく扉を叩いていたら、おかしな音と共に扉が開いた。
いや、開いたというよりは、外れたといった感じか。
とにかく、力を振り絞って扉と壁の隙間から外に出た。
だけど、やっぱりそこも暗闇…
心細さに、涙がこみあげる。
だけど、それでも私は歩き続け、扉をいくつか開いた。
「あっ!」
しばらく進んだところで、ようやく変化が現れた。
ほのかな明かりが見えたんだ。
それは、窓の形をしていた。
私は走り出した。
その窓に向かって…
窓に近付く毎に、あたりの様子も明らかになっていった。
どうやら、私が今いるのは、大きなお屋敷の廊下のようだった。
目は全く闇に慣れない。
まさか、視力を失ったんじゃないかって思うくらい、真っ暗だ。
階段を上り切り、扉をみつけたけれどその扉がなかなか開かなくて…
今度は閂もかかってなかった。
なのに、開かない。
私は、半ばパニック状態で、声を上げ泣きながら、何度も扉を揺さぶったり叩いたりした。
ここで諦めるわけにはいかない。
私はまだ死ねないんだから…!
心の中で何度もそう言い聞かせながら、しつこく扉を叩いていたら、おかしな音と共に扉が開いた。
いや、開いたというよりは、外れたといった感じか。
とにかく、力を振り絞って扉と壁の隙間から外に出た。
だけど、やっぱりそこも暗闇…
心細さに、涙がこみあげる。
だけど、それでも私は歩き続け、扉をいくつか開いた。
「あっ!」
しばらく進んだところで、ようやく変化が現れた。
ほのかな明かりが見えたんだ。
それは、窓の形をしていた。
私は走り出した。
その窓に向かって…
窓に近付く毎に、あたりの様子も明らかになっていった。
どうやら、私が今いるのは、大きなお屋敷の廊下のようだった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
何を間違った?【完結済】
maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。
彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。
今真実を聞いて⋯⋯。
愚かな私の後悔の話
※作者の妄想の産物です
他サイトでも投稿しております
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる