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(な、何を……)

侍女達に引きずられるようにして、私が連れて行かれた先は浴室だった。



久しぶりのお風呂はありがたかった。
しかも、良い香りの石鹸が使われた。
これは多分、王子の入浴の時に使う上等な石鹸だ。



数人がかりで体も髪もさっぱり綺麗に磨きあげられ、疲れたけれどとても気分が良くなった。
そして、次は念入りに髪を整えられた。



まさかとは思うけど…
処刑の前に綺麗にされたんじゃ…
決まったっていうのは、まさか、処刑の方法のこと!?



恐ろしい想像に、身を震わせていると、私は薄紫色のドレスを着せられた。
女王の器としてお城にいた時に着せられていたものよりもさらに、肌触りが良いような気がする。
レースもいっぱい付いてるし、刺繍も見事だ。
きっと上等なドレスだ。
でも、どうしてそんなものを?



「おぉ、これはたいそう美しい。」

部屋に入って来たのはシャール王子だった。



「お、王子様、これは一体…」

「私は誠実な人間だ。
だから、嘘は吐かない。」

王子の言う言葉の意味がわからない。
何を言ってるんだろう。
わからないことが、なおさら私を不安にさせた。
王子は、薄ら笑いを浮かべていた。
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