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「でも、そんなことをして、家族は大丈夫なのか?」

「え……」

私が異世界から来たことは言わない方が良いよね?
言ってもまず信じないだろうし。



「わ、私には家族はいないので。」

「そうなのか!
だから、逃げ出す気になれたんだな。」

「どういうことですか?」

「どういうって…まさか聞いてないのか?
女王の器になったら、その家にはソーラーの称号と屋敷がもらえ、亡くなるまで金が支給される。
死後は、城の中にある墓地に入れてもらえるから、とても名誉なことなんだ。」

また名誉か…
こんなだから、逃げ出す人がいなくて、それでこの悪しき慣習が今まで続いて来たんだね。
残念ながら、私は異世界の人間。
そんなことを名誉だなんて思わない。
家族だって、喜んだりしないよ。
そもそも、私の家族にはお金も届かないだろうし、ソーラーの称号って、一体、何??



「私は、そんな名誉なんていらない。
こんな歳でまだ死にたくないし、だから逃げたんです。」

セバスチャンは目を丸くしていた。



「ずいぶんとはっきりしてるんだな。たいしたもんだ。
だが、これから大変だぞ。」

「やっぱりずっと逃げないといけないんでしょうか?」

「そりゃあそうだろうな。
とりあえず、女王の器にならなくても済む方法ならあるが…」

「えーっ!?どんな方法なんですか?」
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