美人爆命！？異世界に行ってもやっぱりモテてます！

１５

（まさか…ね。）



異世界なんて、アニメや小説の話だ。
そんなもの、本当にあるわけない。
私は、今、夢を見ているだけ。
特別、リアリティのある夢を。



それなのに、涙が溢れるのはどういうことだろう。
私は、衝動的にスマホを手に持ち、実家に電話した。
だけど、呼び出し音すら鳴らない。
理沙にLINEしても届かない。
WiFiもモバイル通信のマークも付いてない。
つまり、ここには電波がないということ。



「くっ……」

また涙がこぼれた。



やっぱり、何かがおかしい。



「女王様に会わせて！
無理なら、大魔女に！！」



私が大声で叫んだら、しばらくしてメイドさんがお茶を持って来た。



「今、メイドの一人が話をしに行きました。返事が来るまで、お茶を飲んでお待ち下さい。」

お茶を飲むような気分ではなかったけれど、お茶でも飲めば、少しは落ち着くかもしれない。
そう思って、私はお茶を飲んだ。
昨日飲んだお茶とは、少し味が違うような気がする。



お茶のせいか、何なのか…
なんとなく、気持ちが落ち着いた。



こんな馬鹿げたことが現実であるはずはない。



（あ……）



もしかして、私、帰り道で事故にでもあって、死にかけてる？
だから、こんなに長い夢を見てるんじゃないだろうか？
あまりにも長い夢だもの…