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涙する二人

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 (これ以上、考えている暇はない。
 一か八かだ!)



 「ジャーメイン!私をセルギオス王の所へ!」

 「は、はっ!」



ジャーメインは、セルギオス王のいる城へ転移した。



 「陛下!大変です!」

 「ネストル…どうしたのだ?こんな朝っぱらから…」

セルギオス王は、まだ寝衣のまま、ネストルの前に現れた。



 「リガス様の様子がおかしいのです!」

 「リガスが…どうおかしいというのだ?」

 「先程、空に見たこともない赤い雲が現れました。」

 「なんと、赤い雲が!?」

セルギオス王の驚きの意味を知りながらも、ネストルは素知らぬ顔で話を続けた。



 「はい、その後、すぐにリガス様が頂上に来られました。
おそらく、リガス様に赤い雲のことを報告したのはニコラスだと思います。
 実は…以前から私はリガス様の様子がおかしいと気になり、密かにリガス様の行動を調べておりました。」

 「なんと!それでは、しょっちゅう、頂上へ出向いていたのは、そのためだったのか?」

 「はい、そうです。」

 「そうか…そうであったか…」

セルギオス王は、何度も頷く。



 「ネストル…リガスは私の特命のため、働いておる。
そなたが案ずるような心配は何もない。
それよりも、魔導士を数名すぐに頂上へ向かわせてくれ…!
 頼んだぞ、ネストル…」

 「はっ!陛下!」
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