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涙する二人

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 「いいな?じゃあ、あげるぞ!」

アレクが赤い狼煙を打ち上げた。
それはすぐに赤い雲となって、まだ薄暗い空に浮かんだ。



ダニエルは、赤い雲を見上げながらわきあがる不安に心を痛めていた。



 (これから何が起きるんだろう…
やっぱり、僕が死んでしまうんだろうか…?)



 「ディオ…なんて顔してるんだ。今度こそリガスさんが気づいてくれるさ!」

 「え?あ…あぁ、そうだね。」

ダニエルは、無理に愛想笑いを浮かべた。



 「皆、ぬかるなよ!周りに気を付けてな!」

アレクの言葉に、皆、神妙な顔つきで頷いた。
まだ、結界の向こう側に人影は見えない。



 (どうか、マウリッツには何事もありませんように…!)



そう祈るダニエルの体が小刻みに震えた。
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