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希望

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 「スピロス!」

 「やぁ、心配かけてすまなかったね。」

 夕方になり、思いがけず、スピロスがロダンの家を訪れた。
スピロスの隣には、知的な雰囲気のする若い男が立っていた。



 「スピロス…その人は?」

 「あぁ、ミカエルだ。
サーシャの息子のね。」

 「初めまして。ミカエルです。」

 「初めまして。俺はマノス…そして、ダニエル…ウォルトだ。」

 「おいおい、わしとリアナも忘れるなよ。」

ロダンの声に、皆、一斉に後ろを振り向き、微笑んだ。



 *



 「なんだって!?」

 夜も更け、にこやかに酒を酌み交わす中で、マウリッツは思わず声を上げた。



 「ミカエルはとても優秀な魔導士だからね。
しかも、信頼出来る人だ。
 彼が来てくれたら、うまくいく確率はうんと高くなると思うんだ。
だから、頼んだ。」

 「そりゃあ、俺達は助かるけど…ミカエル、本当に良いのか?」

 「はい、スピロスには父のことでとてもお世話になりました。
 彼が治療してくれなかったら、父は一生寝たきりだったと思います。
だから、僕で少しでも役に立つことがあるのなら…そう思いまして…」

 「ありがとう!ミカエル!」



 (スピロスが信頼している人なら、大丈夫だな。)



ますます希望が大きくなっていくようで、ダニエルも思わず微笑んだ。
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