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折れた杖

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 「ようし、これで大丈夫じゃ。」

 「もう済んだのか?
 本当にこんなことで大丈夫なのか??」

マウリッツの質問に、ロダンは眉をひそめた。



 「リンガーとロージックの結界の術の性質を考えた上で編み出した最高のシールドじゃ。
おまえ達がかけてもらったものとは明らかに違う。
これさえかけておけば、スピロスが同行する必要もないくらいのものなんじゃぞ!」

 「あ、す、すみません。
 本当にどうもありがとうございました。」

ロダンの剣幕に押され、マウリッツは素直に謝った。



 依頼をしてから約一週間後、ようやくシールドの術を編み出したとの連絡が入った。
ダニエル達は早速ロダンの家を訪ね、シールドの術をかけてもらった。



 「これで、やっとリンガーに戻れるな!」

 「ロダンさん、本当にどうもありがとうございました。」



その晩、マウリッツ達は近々故郷へ帰るということをキーファに伝えた。



 「何だって?この町に住むんじゃなかったのか?」

 「あぁ、やっぱり俺達は田舎暮らしが似合ってる。
 話しあって、故郷に戻ることにしたんだ。」

 「そうか…残念だな。
せっかく仲良くなれたのに…
それに、一人で住むにはここは広すぎる……」

 「まぁ、そういうなよ。
この町で良い女と知り合うかもしれないぞ。
そしたら、ここで一緒に住めば良いじゃないか。」

 「そんなにうまくいくかな…
俺、あんたみたいに男前じゃないし…」

 「あんただってなかなか良い男だぞ。
 自信を持てって!」

ウォルトは、景気良くキーファの背中を叩いた。



 「それで、いつ発つんだ?」

 「明日、発とうと思ってる。」

 「えっ!えらく急なんだな!」

 「気が変わらないうちにと思ってな。」

 「そうか……」

キーファは小さな声でそういうと、そのままそっと俯いた。



 「なに、しんみりしてるんだよ。
あんたらしくない。
ほら、今夜はたんまり飲もうぜ!
 今夜のために上等な酒も買ってあるんだ!」

マウリッツは、キーファのグラスに酒を注ぎ入れた。
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